大瀬良「目標」クリア10勝!コイ新人97年沢崎以来の2桁星

[ 2014年9月26日 05:30 ]

<ヤ・広>10勝目を挙げた大瀬良(右)は試合後に野村監督とガッチリ握手

セ・リーグ 広島9―1ヤクルト

(9月25日 神宮)
 鯉の黄金ルーキーが、歴史の扉を開いた。広島・大瀬良大地投手(23)がヤクルト打線を相手に7回5安打1失点の好投で10勝目をマーク。広島では1997年の沢崎俊和(現2軍投手コーチ)以来、17年ぶりとなる新人投手の2桁勝利を記録した。打線も大量得点で右腕を援護。鈴木誠也内野手(20)がプロ初本塁打を先頭打者本塁打で記録するなど、4安打2打点の活躍を見せた。来るべきクライマックスシリーズ(CS)。若い力が頼もしさを増してきた。
【試合結果】

 達成感よりも、感謝が先に立った。勝利をつかみ、引き揚げてくるナインと三塁ベンチ前で丁寧にハイタッチ。野村監督と握手を交わすと、大瀬良は恥ずかしそうに何度も頭を下げた。

 「周りの人にアドバイスをもらい、結果を出したいと思ってやってきました。これからも、周りの人に感謝しながら、やっていきたいです」

 7回5安打1失点で、球団の新人投手としては17年ぶりの2桁勝利を達成し、13年ぶりのシーズン勝ち越しへと導いた。謙虚な黄金ルーキーが歴史の扉を開いた。

 大量援護をもらって上がったマウンド。2回、先頭打者への四球を発端に1点を失ったが、即座に気持ちを切り替えた。

 「3回以降はコースより、ストライク先行という気持ちでテンポよく腕を振っていきました」

 最速149キロ直球を軸に、スライダー、カットボールなど、主に横の変化で相手を揺さぶった。安定感を取り戻した3回以降は三塁を踏ませぬ好投。「10勝はできるだけ早く達成したいと思っていました。シーズンに入る前から掲げていた目標だから嬉しい」とさわやかな笑顔だった。

 本来の力はエースのひと言で引き出された。9月初旬。練習で遠投のパートナーを務めた前田健から貴重なアドバイスを受けた。

 「球筋が一定しない。大きく、柔らかく投げた方がいい」

 遠投では、それまでノーステップで力強く投げていたが、ステップを踏むようにした。大きさ、柔らかさに意識を置くようになり、シュート回転する球は減った。

 「18・44メートルでいい球を投げるような練習をしないといけない」

 直後の今月6日DeNA戦(横浜)でプロ初完封勝利。投球に対する考え方が変わり、投手としての引き出しも増えた。

 野村監督は「これで重圧からも解放されるし、残り試合も頑張って欲しいね」と目を細めた。ルーキーは大きな目標を達成したが、それに満足はしていない。

 「CSは大事なところで投げさせてもらえるだけの信頼を得たい」
 次の目標はしっかりと見定めている。

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