大田弾で着火!1イニング10点 25日にもV3

[ 2014年9月24日 05:30 ]

<中・巨>7回無死一塁、大田が中越えに2ランホームランを放ちベンチの出迎えを受ける

セ・リーグ 巨人15-1中日

(9月23日 ナゴヤD)
 前前夜祭だ!巨人は23日、中日戦で今季最多タイの15得点と打線が爆発して大勝。優勝マジックを1つ減らして4とした。評価急上昇中の大田泰示外野手(24)が3安打3打点の活躍。7回には、2号2ランで球団66年ぶりとなるシーズン2度の1イニング10得点以上の猛攻を呼び込んだ。新たな若手も台頭し、ゴールは目前。早ければ25日にもリーグ3連覇が決まる。

 火元がでかいと、こんなにも燃え上がるものなのか。3―1の7回。大田が放った規格外の一発が、巨人打線を噴火させた。無死一塁、祖父江の初球、難しい内角低めの145キロをバックスクリーン左へ。これが一挙10得点の口火となった。

 「なかなか終わらない攻撃になって、僕にとってもうれしい。僕にとっても、きょうは特別大事な試合だった」

 左腕・山本昌に対して、「8番・中堅」で先発。8月27日の阪神戦(東京ドーム)以来、約1カ月ぶりのスタメン抜てきにド派手に応えた。3回に右前打を放つと、0―1の5回無死一、三塁では逆転劇に導く同点の左翼線適時二塁打。猛打賞は12年9月1日のDeNA戦(同)以来、2年ぶりプロ2度目で、あと三塁打が出ればサイクルという暴れっぷりだった。

 17日の広島戦(マツダ)で2年ぶりの本塁打となる代打決勝2ランを放った。その直後、主将・阿部はこう言った。「やっぱり泰示が打つと、空気がガラッと変わるね」。そこから大田は9打数5安打、2本塁打、6打点。本塁打後に大田を迎える「ゴリラポーズ」も定着しつつある。

 試合前、橋上打撃コーチから「去年の今頃はおまえ、血まみれになっていたな」といじられた。昨年10月4日、寮から自転車で練習に向かう途中に雨で濡れた地面で転倒。全身に打撲と擦り傷を負い、ポストシーズン出場が絶望的となった。あれから1年。勝負の短期決戦へ向けて、確かな戦力として加わった。

 この日は広島県内に住む両親が、日帰りで駆け付けスタンドで観戦していた。広島行きの終電は、名古屋駅発午後9時33分。最後まで観戦できない両親に時間ギリギリで本塁打を届け、「本塁打の直後に席を立ち、駅へ急ぎました。いい思い出になりました」と父・幹裕さんを喜ばせた。

 1イニング10得点は4月2日のDeNA戦(横浜)以来。シーズンに2度記録するのは、戦後間もない1948年以来66年ぶりだ。マジックは4に減り、原監督は「泰示の1点目と2ランが効いたね」と開口一番。広島戦の決勝弾後には「ホップ」という言葉を用いたが、「まだ“ホップ”でしょう。簡単には“ステップ”は来ないよ」と続けた。

 器のでかさと、可能性に期待するからこそ。「これからも大事な試合が続く。集中力を切らさずに」と言い聞かせた大田。大器の覚醒への鼓動が、リーグ3連覇への大きなうねりを生み出している。

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2014年9月24日のニュース