“恐怖の8番”今月6発目!広島・会沢V弾 2位阪神に0.5差

[ 2014年8月24日 05:30 ]

<広・神>8回無死、会沢が左越えソロを放つと広島ベンチは総立ち

セ・リーグ 広島2-1阪神

(8月23日 マツダ)
 0―0の8回。広島の「恐怖の8番打者」、広島・会沢の9号ソロが均衡を破った。

 「能見さんにいい投球をされていた。甘い球は1球しかないと思っていたし、その1球を仕留められた。投手陣が頑張っていたので、(捕手として)こういう試合はものにしたかった」

 先頭で初球のチェンジアップを捉えた一撃をそう振り返った。8月は16試合で先発マスクをかぶり、打率・393、6本塁打、14打点。12球団最多本塁打(128本)を誇る広島だが、本塁打、打点のリーグ2冠のエルドレッドが不振で今月14日に2軍落ち。その主砲の穴を埋めるべく、猛打を振るっている。「マスクとレガースを外したら、スイッチを切り替えて打つ人になれ」――。野村監督から常々、掛けられる言葉だという。

 その指揮官の早い仕掛けが会沢の一発を生んだともいえる。ドラフト1位右腕の大瀬良を4回無失点で降板させた。「リズムが悪かった。流れを変えるために交代した」と野村監督。初回2死一、二塁でマートンから見逃し三振を奪うなど要所は締めた。しかし、3四球と制球が不安定で再三、得点圏に走者を背負って、球数は84球を要していた。さらに大瀬良と同時に、それまで2打席連続三振を喫していた1番の堂林も容赦なくベンチに下げた。

 勝利への執念は、会沢にも伝わっていた。「自分が出るときは“必ず勝つ”という気持ちでマスクをかぶっている」。大瀬良降板のあとを受けた、救援陣も制球が定まらず、この日は計6投手で8与四球。それでも巧みなリードで打ち損じを誘い、さらに肩でも初回の上本、6回の大和の二盗を刺して、ピンチの芽を摘んだ。6投手から捕球したのは、実に205球。野村監督は「あれだけの球数を受けて打つアツ(会沢)の集中力は大したもの」と称えた。

 攻守にわたる活躍で1点差勝利に導き、チームは3カード連続の勝ち越し。2位阪神に0・5ゲーム差に肉薄した。「上位2チームとやるときは、競った試合を勝つことが大事になってくる」と会沢。それは紛れもなく、正捕手の自覚だった。

 ◆会沢 翼(あいざわ・つばさ)1988年(昭63)4月13日、茨城県生まれの26歳。水戸短大付では通算35本塁打も甲子園出場はなし。06年高校生ドラフト3巡目で広島入団。3年目の09年に1軍初出場し、10年にプロ初本塁打を放った。1メートル77、91キロ。右投げ右打ち。

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