富士重工 大学日本一左腕を攻略「対策通り」

[ 2014年7月21日 05:30 ]

<セガサミー・富士重工>5回1死満塁、富士重工・小川の左前適時打で生還した竹田(右端)はチームメートに出迎えられる

都市対抗野球第3日・2回戦 富士重工6―2セガサミー

(7月20日 東京ドーム)
 2回戦3試合が行われ、昨秋の日本選手権で準優勝した富士重工(太田市)が6―2でセガサミー(東京都)を破った。巨人の長嶋茂雄終身名誉監督(78)が観戦する中、新人左腕の横田哲投手(22)対策を徹底。それが奏功し、序盤で攻略した。延長戦を制した大阪ガス(大阪市)と、最多56度目出場の日本生命(大阪市)を破った東邦ガス(名古屋市)も3回戦に進出した。

 「横田対策」が見事にはまった。今大会初となる2桁の13安打。ドームに響き渡る快音を何度も耳にした富士重工の水久保国一監督は「対策通り、ヒットを重ねることができた。ここまで打ってくれるとは思わなかった」と笑みをこぼした。

 6月下旬、初戦の相手がセガサミーに決まると、大学で日本一になった注目左腕・横田が投げると想定し、打撃投手に左をそろえた。昨夏、チームに復帰した元エース左腕・阿部次男ヘッドコーチも打撃投手を担当。「低めは捨てよう。浮き上がるボールはストライクになる」と横田が多投するチェンジアップの見極め方を選手の体に染み込ませた。さらに切れのある直球にも対応できるように通常より3、4メートル手前から投げ込んだ。

 ビデオでも入念に研究した結果、水久保監督は明確な攻略法にたどり着いた。「左打者は打席の前寄りに立ち、思い切り踏み込む。右打者は内か外のどちらかを割り切って振る」。これが序盤からはまった。

 2回2死一、三塁で左打者の日置は外角のカーブを引きつけて、中前にはじき返し先制打。5回1死満塁では右打者の小川が膝元にきた変化球に体をうまく折り畳みながら左前に運び、2点目を奪った。この一打が9安目となり、横田をKO。田辺主将は「この試合に向けてやるべきことをやり尽くした結果が出た」と胸を張り、阿部コーチも「普段の3倍は投げた。体がボロボロ」とうれしい悲鳴を上げた。

 昨年、都市対抗は2次予選で敗退し出場できなかった。その悔しさをバネに、秋の日本選手権は準優勝まで上りつめた。今年はもちろん、頂点を狙う。

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2014年7月21日のニュース