西 止まった…開幕9戦9勝ならず、8回1失点も援護なし

[ 2014年5月29日 05:30 ]

<中・オ>わずか1失点で連勝が止まり、ガックリ引き揚げる西

交流戦 オリックス0-1中日

(5月28日 ナゴヤD)
 歴代2位となる開幕からの9戦9勝を目指したオリックスの西勇輝投手(23)は8回1失点で敗戦投手となった。被安打3本と内容は上々だったが、7回2死二塁でルナに中前適時打を浴び、味方の援護がなく今季初黒星。58年の金田正一(国鉄)らに並ぶチャンスは夢と消え、チームとともに出直しとなった。

 8回1失点という結果は勝ち投手でも不思議はない。内容的にも悪くなかった―。そう聞かれた西だが、口を真一文字に結び、言葉を発しなかった。自らの連戦連勝が止まったことが悔しいわけではない。先制を許し、チームが連敗。踏ん張れなかった完投負けを申し訳なく思っていた。

 宿舎に戻って、落ち着いた西は「ピンチを抑えることができず、チームが連敗してしまい、とても悔しいです。次は、チームの勝ちにつながる投球ができるように頑張ります」と、球団を通してコメントした。

 投球術は、さすが8戦8勝の内容だった。3回まで無安打に抑え、4回先頭の大島に二塁内野安打を許したが、すかさずけん制で刺した。6回まで1安打。だが、7回2死から森野に左翼線二塁打を浴びると、ルナと勝負して中前適時打を浴びた。それまで2三振にしとめていた外角スライダーを狙われた。

 「しっかり投げた」と成長を認めている森脇監督だが、「7回裏と8回表が対照的だった。時間をかけてもゼロに抑えた8回と、時間をかけずに点を取られた7回。中日はバッテリーが優れている」と指摘した。

 ただ、無得点では勝てない。得点圏に4度も走者を進めたが、大野の前に決定打が出なかった。8回には2死満塁でT―岡田が中飛。「チャンスだったので真ん中付近に来たらいこうと思っていたが詰まった。西に申し訳ない」と肩を落とした。チームは今季4度目の零封負けで、0―1の敗戦は初。連敗となった。

 9戦9勝ならば58年の金田正一(国鉄)、04年の岩隈久志(近鉄)に並ぶ歴代2位タイの記録だった。公式戦初登板となったナゴヤドームは、三重出身の西が幼少期に何度も試合観戦した「憧れのマウンド」。記録は途絶えたが、成長するには必要な黒星だ。尊敬する金子を抜き、エースになるためのヒントが詰まった今季初黒星だった。

 ▼オリックス・伊藤(1失点の西に)先頭を出すこともなく、低めに投げられていたし、7回以外はすごく良かった。ルナとの勝負はバッテリーで話して決めた。

 ▼オリックス・T―岡田(8回2死満塁で凡退)西に申し訳ない。

 ≪1試合の与四死球率は1・04≫西(オ)が8回1失点で今季初黒星。開幕からの登板試合全勝記録は8戦8勝でストップした。完投及ばず敗れたが、先発投手が6イニング以上を投げて自責点3以下に抑えるクオリティースタートは全試合でクリア。また、無四死球は今季4度目。9イニング当たりの四死球数を示す与四死球率も1・04で、パの規定投球回到達投手では次点の岸(西=1・52)に大きく差をつけている。

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2014年5月29日のニュース