阪神“方程式”初の零封!加藤→福原→呉昇桓が日本1勝

[ 2014年4月11日 07:39 ]

<神・D>力投する呉昇桓

セ・リーグ 阪神6-5DeNA

(4月10日 甲子園)
 この継投を待っていた。阪神の救援陣が、今季12試合目にして初めて7、8、9回をすべて零封した。一歩間違えれば一気に流れを失いかねない大事な終盤で、加藤、福原、呉昇桓の3人が強力DeNA打線をピシャリと封じてみせた。

 まずは加藤だ。代打・宮崎を二ゴロに斬ると、石川と山崎の1、2番コンビをあっさりと空振り三振、三ゴロに料理。6回の攻撃で同点後の無死一、三塁から勝ち越し点を挙げられずに相手に傾きかけた流れを、その左腕で引き戻した。

 後を継いだ福原は早くも今季7試合目のマウンド。さらに5戦連続の登板となり、疲労も蓄積する中、圧巻の投球で勝機を呼び込んだ。

 梶谷を直球で追い込むと、カーブでタイミングを外して中飛。3打数3安打していたブランコにはすべて高めの直球勝負に出た。見る者すべてを魅了する対決。ファウルで粘られながらも8球目で空を切らせた。6球目は鶴岡の変化球のサインに首を振ってまで直球を投じる信念。「勝負に行った。(サイン変更は)真っすぐを待っているだろうけど、そこはね」。中途半端に打たれることを嫌い、あえて直球で挑んだことを明かした。

 こうなれば、リードしていなくても9回のマウンドは「石仏」しかいない。前夜、4―1の最終回に登板し、2点を失っている。リベンジを懸けた登板。「失投だけはダメ」。燃えに燃えた。

 先頭のバルディリスは3球で空振り三振に斬った。4回に本塁打を放っている荒波に対しては144キロ直球で詰まらせ、二飛。代打・井手には右前打を許すも、金城は中飛に抑えた。上本のサヨナラ打で手にした来日初白星には「自分の前の投手がしっかり抑えてくれたおかげだから」と口にした。

 11日からは開幕カードで負け越した巨人と甲子園で相まみえる。「やり返すという意識はない。自分の球を投げるだけだよ」。呉昇桓が力を込めてブルペンの思いを代弁した。

続きを表示

2014年4月11日のニュース