広島“足攻”今季初白星！虎の子１点呼んだ丸の攻撃的走塁

＜広・ヤ＞５回１死一塁、エルドレッドの左前打をミレッジが三塁悪送球する間に、広島の一塁走者・丸が一気に生還

セ・リーグ 広島１―０ヤクルト

（4月4日 マツダ）
　広島が攻撃的な走塁で活路を開いた。

　赤川に対し、４回まで毎回得点圏に走者を進めながらあと一本が出なかった。開幕からの悪い流れを引きずっていたが、５回、先頭で四球で出塁した丸が断ち切った。

　１死一塁で４番・エルドレッド。２ボール１ストライクと打者優位のカウントで一走の丸は自身の判断でスタートを切った。ここでエルドレッドが強振して左前打とし、丸は三塁へ。さらに左翼ミレッジからの送球が三塁側ファウルゾーンへそれる間に、一気に本塁へ生還した。

　４番打者を迎えても、ベンチは盗塁に関して「いけたらいけ」のグリーンライト。この虎の子の１点が決勝点となり、丸は「結果的にランエンドヒットになったが、打撃カウントでスタートにいけたことで生まれた点。点を取れていなかったし、何とかしたかった」としてやったり。野村監督も「ミスを誘った丸を称えたい。選手には“苦しい時こそ勇気を持って打席に立ち、勇気を持って走ろう”と伝えてきた。それが出た」と持ち上げた。

　連敗中も重盗で好機を広げたことがあった。２日のヤクルト戦。８回１死一、二塁から赤松とルイスが重盗に成功。広島ＯＢの山本浩二監督率いる侍ジャパンがＷＢＣ準決勝のプエルトリコ戦で重盗を失敗したことから、赤松は「二塁走者は偽走しない。一塁走者は無理をせずに止まる勇気を持つということをチーム内で徹底していた」と振り返る。走塁への意識は１２球団Ｎｏ・１といっても過言ではない。この日も３盗塁を決め、開幕６試合で６盗塁だ。

　３月２９日の開幕から７日目。１２球団で最後に手にした今季初勝利に、指揮官は「厳しい試合に勝てて素直にうれしい。いい方向に流れるんじゃないかな」と笑みを浮かべた。選手が走り、そしてチームも白星を重ねてペナントレースを走る。

　≪３６年ぶり屈辱免れた≫広島が今季初勝利。開幕からの連敗を４で止めた。チームにとって開幕５連敗以上は７７年の６連敗が最後。３６年ぶりの屈辱は免れた。この日は３投手のリレーで１―０完封。開幕４連敗以上を完封勝利で脱出したのは、５６年３月２５日大洋戦で大田垣が１―０完封し４連敗で止めて以来５７年ぶりチーム２度目だ。