ドミニカ共和国 米国撃破!5戦全勝「野球人生で最高の雰囲気」

[ 2013年3月16日 06:00 ]

<ドミニカ共和国・米国>米国を破り喜ぶドミニカ共和国ナイン

WBC2次ラウンド2組2回戦 ドミニカ共和国3―1米国

(3月14日 マイアミ)
 待ってろ、侍ジャパン!2次ラウンド2組の2回戦が行われ、ドミニカ共和国が3―1で米国を下し、2大会ぶりの準決勝進出を決めた。今大会屈指の好カードは、1―1の9回に、ドミニカ共和国のエリク・アイバー内野手(29=エンゼルス)が代打で決勝の右前適時打。同国はこれで1次ラウンドから5戦全勝と破竹の勢いに乗っている。敗れた米国は15日(日本時間16日)の敗者復活2回戦に回り、プエルトリコと対戦する。

 一戦ごとに絆を深めてきた28人がマウンドで歓喜の輪をつくった。守護神ロドニーを中心に、まるで優勝したかのようなお祭り騒ぎ。ナインの喜びようは、決勝のホームを踏んだクルーズの言葉に凝縮されていた。「これまで母国のためにプレーする機会はなかった。疑いようもなく、野球人生で最高の雰囲気でプレーできた」

 同点の9回。米国のマウンドには2年連続ナ・リーグ最多セーブのキンブレルが立ちはだかった。そこからドラマは始まった。先頭のクルーズが右中間二塁打。サンタナは8球粘り、進塁打で1死三塁とした。そして代打アイバー。カウント1ボール1ストライクからの3球目は、外角低めに大きく外れたが、米国人の球審の判定はストライク。アイバーも思わず声を上げたが、気持ちを切り替え、4球目の97マイル(約156キロ)を右前にはじき返した。「球審のミスは忘れて、自分の打撃に集中した結果だ」と胸を張った。さらにレイエスにも適時打が飛び出し、最後はロドニーが3者凡退で締めた。

 ドミニカンにとって、野球は国技とも言えるスポーツ。子供たちは野原や広場で、毎日野球に興じる。決して裕福ではなくても夢を追い、夢をかなえた28人が今、国を背負って戦っている。試合後の会見。トニー・ペーニャ監督は「全ての選手がチームのために一つにまとまった。母国出身の大リーガーの80%は貧しい農家の出身。常にプレーを楽しむ理由は、貧しさを忘れるためさ」と感極まって涙を浮かべた。

 昨季開幕時の同国出身大リーガーは95人。もちろん国別で米国を除き最多だ。野球大国のプライドに懸けて、侍ジャパンの3連覇の野望を砕き、このまま頂点まで突き進む。

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2013年3月16日のニュース