球児 金本氏に明かした「4カ月で10キロ増えました」

[ 2013年3月16日 06:00 ]

カブス・藤川(右)を激励し再会を誓った金本氏

 1492試合連続フルイニング出場のプロ野球記録を持ち、昨季限りで引退した元阪神の金本知憲氏(44=スポニチ評論家)が14日(日本時間15日)、アリゾナ州メサでキャンプに参加しているカブス・藤川球児投手(32)に直撃インタビューを行った。昨季まで阪神を支え続けた2人が再会、熱いトークを繰り広げた。

 金本 久しぶりだな。とにかく体が大きくなっているのにびっくりしたわ。

 藤川 体重を増やしました。ここまで4カ月で10キロ増え(92キロになり)ました。(昨年)12月の段階で80キロぐらいにして、そこから増やしました。カネさんの腕(の太さ)を目指しているんですが…。

 金本 いいことやな。10キロ増やしただろ。ケガに注意やね。経験上な。俺もトレーニングをやっていた方だけど、10キロ増やしたら体が対応できない。

 藤川 マウンドも硬いので、足とかもつりそうになるんですよ。他の日本人投手も肘とか故障しているんで、まず肩、肘のトレーニングをして体幹をやって、という感じです。最近はベンチプレスもやりだしました。

 金本 ダルビッシュなんか22、23歳ぐらいからやっていた。トレーニングをやりだしてから、凄く良くなったからな。

 藤川 僕も変わりましたよね。同じボールを何球か続けて投げられるようになったんですよ。打者でいうと、同じスイングができるようになったということなんですよ。あまりスライダーも投げられなかったのが、体を止めてスライダーを曲げられるようになったんです。それは筋力なのかなと思いますね。

 金本 変化球が磨かれているもんな。

 藤川 こっちでは、その方(変化球)が大事かなと思いました。ストレートだけなら、みんな速いのでね。

 金本 遊びでカーブを投げていたこともあったけどな。

 藤川 こっちの打者にはむちゃくちゃカーブが効くんですよ。

 金本 ちなみにフォークはどう?

 藤川 こっちの方が落ちますけど、ワンバウンドになるフォークは振らないです。キャッチャーも捕れないですしね。日本に来る外国人とは打ち方が違います。ノーバウンドで投げないといけないので怖いですけどね。

 金本 全てにおいて楽しみやね。

 藤川 こっちのキャッチャーは僕のストレートを受けて“こいつのボールは伸び上がってくる”と言っています。審判も言いますので。僕みたいなストレートを投げる投手は、いないみたいです。沈むボールを投げる投手が多いのでね。

 金本 じゃ、全盛期のときにメジャーに来ても面白かったよな。

 藤川 それは面白かったですね。

 金本 ストレートだけで抑えるというのを。

 藤川 でも、7年ぐらい前ですよ。まだ、元気でできていることが幸せですけどね。

 金本 (ただ)中継ぎはやりにくいよな。いつ投げるか分からんからな。

 藤川 でも、連投は2回しかないんでね。(こっちでは)連投したら1日空くのでね。ラッキーです。岡田(彰布)監督に言っておいてください。もう10連投はないですよと(笑い)。

 金本 ハッハハハ…。2007年やな。

 藤川 こっちに来たらびっくりされるんですよ。最高で10連投と答えたら“何だそれは”と言われます。そんなの考えられない。メジャーではありえないと。でも、いい経験ですよね。それがあるから、今があるんです。

 金本 ずっと我慢して権利を得てメジャーに行ったんだから、堂々と胸を張ってやってほしい。

 藤川 やっぱり、また新しい野球人生かなと思います。自分が若くなった感じがするんですよね。

 金本 クローザーをやるなら35、36セーブ。

 藤川 こっちではクローザーはベテランがやるみたいになっています。ハートで仕事するみたいな。その権利は頑張ればあるかなと思っているのでね。

 金本 (メジャーで162セーブを挙げて、日米通算381セーブの)佐々木主浩さんの数字は超えてほしいしね。ただ、どこかで無理はしていると思うんで、パンクだけはしてほしくないね。でも、要領がいいから(笑い)。やっていけるでしょう。

 藤川 ありがとうございます。

 ▽阪神時代の金本と藤川 02年オフに金本が広島からFA移籍して以来、昨季まで10年間チームメート。金本は05年にセ・リーグMVPに輝くなど03、05年のリーグ優勝に貢献。04年にリリーフとして花開いた藤川は「JFK」の一人として05年、当時の日本記録である80試合に登板。昨年9月12日、金本の引退表明の際に藤川は「最後までチームの責任を背負ってくれた。助かったし勉強になりました」と言葉を贈った。

続きを表示

この記事のフォト

2013年3月16日のニュース