野球バカになるな!石井 雄星改造計画 人間力つけて

[ 2013年1月29日 06:00 ]

フットサルトレでPK合戦、シュートを放つ西武・石井(左端)を見つめる(左2人目から)菊池、木村、田中、岸

 西武の未来を担う菊池を「骨太」に育てる。日米通算22年目を迎えた石井が都内で自主トレを公開し、プロ3年間で通算8勝と伸び悩む左腕に「10勝」を厳命した。

 「1年間先発で回って10勝しなかったら恥ずかしい。まだ中途半端な選手だし、マウンドで落ち着きがない」。過去2年間はいずれも4勝止まり。厳しい言葉は18歳年下の左腕を思う愛情の裏返しだ。年明けにハワイで行った自主トレには、涌井、岸、牧田とともに2年連続で菊池を連れて行った。目的は技術や体力の向上だけではない。

 「野球バカになってほしくない。日本は周りにヘルプしてくれる人がいるけど、アメリカでは自分でやらないといけない。人間力をつけてあげたいと思って。チップの払い方とかレンタカーのガソリンの入れ方とか」。

 約2週間の滞在中、石井は岸、菊池と同じコンドミニアムで生活。29階のバルコニーで海を見ながら、連日2時間近く、トレーニング方法など野球について語り合い、メジャーでも4年間プレーした自らの経験を伝えた。今季のチームスローガンは「骨太」。菊池にもたくましさを求めるベテランは、10勝の目標を達成した際には「その時は僕はもう、いないでしょ。西武の左は彼でいいと思いますよ」と後継者に指名する。

 自らを「カズさんマニア」と称し、帰国後もほとんど石井と一緒に自主トレを行っている菊池は「ハワイでの恩返しがしたい。来年また連れて行ってもらえるように2桁勝って優勝の戦力になりたい」と目を輝かせた。39歳と21歳の師弟コンビ。先発ローテーションを担う2人の左腕が活躍した時、西武の優勝は近づく。

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2013年1月29日のニュース