バレ30号!阿部に3差、規定打席不足本塁打王グイッ

[ 2012年9月29日 06:00 ]

<ヤ・神>8回1死二塁、ヤクルト・バレンティンが勝ち越し2ランを放ち、歓喜に沸くベンチ

セ・リーグ ヤクルト6-3阪神

(9月28日 神宮)
 CS出場王手弾。両リーグ30号到達一番乗り弾。そして決勝弾。多くの意味を持つ一発が右翼席最前列に吸い込まれた。だが、これはヤクルト・バレンティンにとってみそぎ弾だった。

 「右翼の守備が前だったし頭は越えると。でも本塁打になるとは、という感じだった」。陽気な男もこの日ばかりは控えめだった。

 7回に同点に追い付き、反撃ムードが高まった8回1死二塁。岩田が投じた3球目の直球を右へ運んで試合を決めた。それまで3打席無安打で、2打席連続空振り三振を喫していた。だが振ったことに意味があった。

 前日の阪神戦(神宮)では3打席で1度もバットを振らず2三振。試合中に伊勢総合コーチに「なぜ振らんのや」と怒られ、試合後にも小川監督から説教をくらった。だがその時、バレンティンはフライドチキンを口にし、コーラを手に取っていた。あきれた首脳陣はスタメンから外すことも考えたが、改心を期待し起用した。「(アドバイスを)全面的に受け入れたよ」。反省していないようで反省していた。

 本塁打争いのライバル巨人・阿部に3本差をつけた。規定打席に到達せずにキングとなれば50年の2リーグ制導入以降初となる。「アベさんが3冠王を獲れば凄いことだとも思うけど…」。29日の中日戦(神宮)に敗れても、広島が敗れれば2年連続のCS出場が決まる。これからは振って振って振りまくる。

 ≪セでは97年松井(巨)以来≫バレンティン(ヤ)が両リーグ30号一番乗り。ヤクルトで30号一番乗りは初めてだ。バレンティンは10、20号も最初に到達。10、20、30号を全て両リーグ一番乗りは02年ローズ(近)以来、セでは97年松井(巨)以来15年ぶりとなった。バレンティンは昨季31本塁打。外国人で来日から2年連続30本塁打以上は、99~02年ペタジーニの4年連続以来チーム2人目だ。なおバレンティンは、シーズン規定打席の446まで50不足。残り8試合での到達は難しい状況だが、規定打席未満で30本以上となれば03年ペタジーニ(巨)以来6人目。本塁打王なら2リーグ制後初となる。

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2012年9月29日のニュース