マエケン 劇勝も「悔しい」1死満塁で降板

[ 2012年9月15日 06:00 ]

<広・中>8回表1死二塁、打球を弾いて内野安打とし、膝をついて肩を落とす前田健

セ・リーグ 広島4-3中日

(9月14日 マツダ)
 広島の劇的勝利にも、素直に喜べない自分がいた。

 「チームが勝ったのは良かったけど、自分的には全くもって良くない。悔しいです」

 広瀬が執念の右前サヨナラ打を放ち、チームの連敗は3でストップ。打線は15試合ぶりの4得点をもぎ取った。結果的に最高の勝利となったが、自らの投球を振り返る前田健は悔しそうに、顔をゆがめるだけだった。

 安定感抜群の右腕が突如、崩れた。7回までは最速150キロ直球を軸に変化球を効果的に交え、スコアボードに「0」を並べ続けた。だが3点リードで迎えた8回、先頭の大島にこの日4安打目となる二塁打を許すと、1点を失い、なおも1死満塁の場面で降板。2番手・今村が同点を許し、ハーラートップ14勝目の権利は消えた。

 「8回も行くからには、抑えたかった…。(回の)途中で降りるのが良くない」

 7回裏攻撃時にベンチで大野投手チーフコーチ、野村監督の順に長時間の会話をした右腕。指揮官は内容について「もう1イニング頼む、ということ」とした。7回終了時で103球。19日ヤクルト戦(マツダ)での中4日先発のために、この時点で降板の可能性もあったが、首脳陣、本人とも続投を決断。結果的には決断が裏目に出た。

 最終的に128球を投げたため、中4日登板は流動的な状況となった。「疲れはないです」。語気を強めたエースの心身の回復具合が15年ぶりAクラス、初のCS出場へは最大のカギとなる。

続きを表示

2012年9月15日のニュース