坂本 逆転マジック「6」弾!背番6が決めた巨人6連勝

[ 2012年9月15日 06:00 ]

<巨・神>7回2死一、三塁、左越えに逆転3ランを放ち、ベンチの祝福を受ける巨人・坂本(右)

セ・リーグ 巨人3-2阪神

(9月14日 東京D)
 巨人・坂本勇人内野手(23)が14日、阪神戦で0―2で迎えた7回2死一、三塁で左越え13号を放って、チームを逆転勝利に導いた。坂本は9月に入って、54打数22安打、打率・407。優勝争いの佳境でラストスパートをかける若き3番打者の値千金の一撃で、巨人は引き分けを挟み6連勝。3年ぶりのリーグ優勝に向けたマジックナンバーを6とした。

 「“行ってくれ”というね。まさに起死回生」。原監督がそう評した一撃は、0―2の7回2死一、三塁で飛び出した。坂本のラインドライブのかかったライナーが、最後にひと伸びして左翼席に吸い込まれる。逆転3ラン。一振りで試合を決め、一塁を回ったところで右拳を突き上げた。

 「僕自身、久しぶりに逆転ホームランで興奮しました。感触も角度もそんなに良くなかったので入ってくれてよかった」

 初、3、6回と得点圏に走者を送るが、阪神・岩田を崩せずにいた。手元で微妙に動く球に苦しみ、坂本自身もそこまで四球、左飛、三振。「低い球は動きが大きい。打ちにいかない」と決めて7回の打席に入った。さらに「読み」も働かせた。相手は長打を一番避けたい場面。ならば外角。しかし、2ボール2ストライクの5球目は、やや内角寄りに入ってきた。それでも、「うまく反応できてコンパクトにさばけた」と体の回転ではじき返した。狙いと違ったコースでもスタンドまで運ぶところが、今の坂本の好調さを象徴していた。

 昨季は統一球の対応に苦しみ、打率・262、16本塁打、59打点とレギュラーに定着したプロ2年目に次ぐ低い成績となった。今季はここまで13本塁打も、打率は阿部に次ぐリーグ2位の・315。右方向への安打が昨年の9本から今季はすでに19本と倍増。今年2月の宮崎キャンプで「坂本は外角を流すのではなく、つかまえて、右中間に引っ張る感覚を身につけること。そうすれば統一球でも結果を残せる」と言ったのは原監督。その言葉に、坂本は「大きいのは意識から捨てる」とインパクトの正確性を追い求めた。バットを折りやすかった坂本は、昨年まで年間約60本が必要だった。今季使用したバットはまだ半数の約30本。バットを折る回数が激減したのは、芯でとらえる正確性が上がった証だ。

 例年、夏場以降に打率を落としてきたが、今季は疲労の中でも筋力トレーニングを欠かさなかったことで、7、8月の2カ月間も打率・300以上をマークした。そして9月に入っては4割超え。「(3年前は)僕は優勝させてもらっていたので、今年は何とか貢献したいと思ってシーズンに臨んだ」。優勝へのマジックナンバーは自らの背番号と同じ6まで減った。歓喜へのカウントダウン。主軸として最後までチームを支える。

 ≪自己最多タイ≫坂本(巨)が7回に13号逆転3ラン。自身逆転弾は8月21日ヤクルト戦に次いで2本目。シーズン2本の逆転弾は09年と並ぶ自己最多タイになった。また今季の殊勲安打(先制、同点、勝ち越し、逆転)は20本目。セの殊勲安打の最多は和田(中)の26本だが、坂本にとっては昨季と並び最も多くなった。チームはこれで7日ヤクルト戦から1分けを挟み6連勝。この間坂本は31打数13安打(打率・419)、1本塁打、8打点と勝利に貢献。V打は11、13日広島戦とこの日を加え3度もある。

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2012年9月15日のニュース