おかわり 49打席ぶり一発!負傷の左膝駄目なら右膝で

[ 2012年9月15日 06:00 ]

<ロ・西>6回2死一塁、右膝を折り曲げるように2ランを放つ西武・中村

パ・リーグ 西武3-2ロッテ

(9月14日 QVC)
 ロッテ・成瀬が投じた低めの直球を、西武・中村が右膝を折りながら、バットに乗せた。1点リードの6回2死一塁。フルカウントからの6球目。打球は左から右への強風に流されながらも、右中間席へ吸い込まれた。

 「際どい低めの球だったけど、しっかり芯で打てたから入るかなと思った。いいところで打てた。最近はあまり、というか全然打ててなかったから、そろそろ打ちたかった」

 中村にとっては9月初本塁打。8月31日の同じロッテ戦(西武ドーム)で、この日と同じ成瀬から22号を放って以来、49打席ぶりの待望の一発となった。成瀬からは昨季まで通算でわずか1本塁打。それが今季は早くも2本目だ。

 ただ、中村は6回の打席について「後ろへつなごうと思っていた。自分で打って還そうという気はなかった」と振り返る。本塁打王争いのトップを守りつつ、シーズンは残り20試合。昨季は、この時点で41本塁打を記録していた。自身の数字に満足できるはずもない。それでも、チームは4年ぶりのリーグ制覇へ最短距離にいる。だからこそ、「勝てればいい」と言い切る。

 開幕当初から痛めている左膝への負担はシーズン終盤になって増すばかりだが、そんな中でも試合前練習では地道に「置きティー」で打つポイントを確認。一方で、下半身や膝の動きをなるべく制限しないように、患部を完全に固めないようにテーピングを施す。コマのように速いスピンをかける好調時のフォームには程遠いが、この日は左膝が駄目なら右膝を使ってスタンドに押し込んだ。これで中村が本塁打を放った試合は9連勝だ。

 オフだった今月10日は麻里恵夫人の31歳の誕生日。さらに同日には弟の光佑(みつすけ)が主将を務める滋賀・高島ベースボールクラブが、西武ドームで行われた「スポニチ後援第37回全日本クラブ野球選手権」で全国制覇を果たした。普段はほとんど連絡は取らないというが、弟のためにチーム22人全員分の試合チケットを用意した。お祝い続きの中村家。あとは優勝が加われば完璧だ。

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2012年9月15日のニュース