「眺めちゃった」中日賢、背番号「20」星野魂で快投

[ 2012年8月25日 06:00 ]

<中・ヤ>8回3安打無失点で5勝目を挙げた中日・中田賢

セ・リーグ 中日2-0ヤクルト

(8月24日 ナゴヤD)
 巨人のV10を阻止し2度目のリーグVを飾った1974年の復刻ユニホームで臨んだ一戦。当時のエース、星野仙一(現楽天監督)の背番号20を継承する中日・中田賢が、8回3安打無失点の快投を演じた。

 「こういう状況だし、一戦一戦勝てる状態で後ろの投手に受け渡して、いけるところまでいくしかない」。大先輩のように闘志むき出しの投球ではないが、ハートは熱く、頭はクールに凡打の山を築いた。「打ち損じにも助けられた」と4回以降は無安打。最後は岩瀬にバトンを託し、7月7日のDeNA戦(ナゴヤドーム)以来の5勝目を手にした。

 黒星が重なり、7月19日に2軍に降格。今月11日に脳内出血で急逝した稲葉2軍投手コーチの下、必死に下半身を鍛え直したことで直球の球威も復活した。1軍昇格後は7回無失点だった16日の巨人戦(ナゴヤドーム)から2試合で15イニング無失点となった。「本当に基本の大切さを教えてもらった。今もどこかから見てくれていると思う」。74年のV戦士の1人でもある恩師への手向けの白星にもなった。

 背番号20の復刻ユニホームについては「もらった時に眺めちゃった」と目尻を下げたが、実は星野監督とは「まだはっきりとお会いしたことがない」と苦笑いした右腕。巨人との差は簡単には縮まらないが、首位追走、その先のCSへ、頼もしい右腕が戻ってきた。

 ▼中日・高木監督(自身も現役時代に着用したユニホームで快勝)優勝した時のユニホームやからね。ひょっとしたら優勝できるかも分からん。

 ▽74年の中日・星野仙一 10月12日。大洋とのダブルヘッダー第1試合を制し優勝へ「あと1勝」となった第2試合に先発。2回2死一、三塁から左翼線適時二塁打と、自らのバットで先制すると、9回を4安打1失点の完投。6―1でチーム20年ぶり2度目、巨人のV10を阻む優勝を決めた。この年は自己最多タイの49試合に登板し15勝9敗、防御率2・87。同年から導入されたセーブも10度記録し、セ・リーグ初代最多セーブ投手になった。

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