光星 2強対決打ち勝った!ラッキーボーイ武田決めた

[ 2012年7月18日 06:00 ]

<青森山田・光星学院>延長10回1死一、二塁、武田の適時二塁打で生還し、次打者・木村(左)とタッチを交わす光星学院の二走・大杉(中央)と一走・城間

青森大会3回戦 光星学院8―6青森山田

(7月17日 青森長根)
 何も覚えていないほどこの1球に懸けていた。快音を残した打球が左中間で弾む。6―6の延長10回1死一、二塁。青森山田との壮絶な打ち合いに決着をつけたのは光星学院7番・武田の二塁打だった。

 「打った後は何も覚えていない。みんなが喜んでいたから打球が落ちたんだと思った」。5―6の8回には武田が打ち上げた中飛を中堅手が落球。中継プレーの乱れもあって同点に追いついた。仲井宗基監督が「ラッキーボーイ」と呼ぶ男は、大一番でも「持ってる」ところを見せつけた。

 今センバツでは田村、北條のプロ注目コンビの後を打つ「5番・一塁」で出場。打率・385で2季連続甲子園準優勝に貢献したが、今春以降は打撃不調に陥り、7番まで降格。それでも全体練習終了後も夜11時まで1人で黙々とバットを振り続けてきた。巨人の坂本2世の呼び声高い4番の北條も3回に左翼へ高校通算20本目の特大3ラン。ただ、試合後は「試合中は本塁打を打ったことも忘れていた」と話すほど壮絶な死闘だった。

 青森山田で昨年12月に野球部員の暴行死亡事件が発生。春季大会を出場自粛してシードから外れたため、青森の覇権を争ってきた永遠のライバルとの対決が3回戦で実現した。そして4季連続甲子園出場へ大きな1勝。指揮官は「夏はこういう戦いの連続。何とか相手より1点多く取る野球をしたい」と言った。東北勢初の全国制覇を狙うナインが青森山田との死闘でまた一回り成長した。

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