マー君 右脇腹痛で先発回避 本人は軽症強調も…

[ 2012年7月7日 06:00 ]

<西・楽>登板を回避し、試合途中で引き揚げる楽天・田中

 楽天・田中将大投手(23)が右脇腹に痛みを訴え、6日の西武戦(西武ドーム)の先発登板を回避した。登板日当日に先発を回避したのはプロ6年目で初めて。数日間は患部の様子を見る方針で次回登板は未定。患部が思わしくない状態が続けば、選手間投票で選出され、予想された23日の被災地・岩手での球宴3戦目の登板も厳しくなってくる。

 午後8時すぎ。都内の宿舎に戻った田中はすぐにチェックアウトし、仙台に帰った。その1時間前。西武ドームから引き揚げる際にこう言った。 「チームにストップを掛けてもらった。首脳陣と相談して投げてからおかしくなって長いこと離れるとなると困ると言われた。自分の中ではそんなにひどくないと思う」。朝から体に異変が起きていた。芹田トレーナーは「(右)脇の下。朝に宿舎を出るときに痛いと言っていた」と説明。練習でのキャッチボールでは患部を気にするそぶりもなく、登板に意欲的だったという。だが、佐藤投手コーチは「10(割)で投げて(患部が)ピッときたら怖いから。大事を取ろうということ」と登板回避を決断した。

 想定外の緊急事態に、故障箇所を誤るドタバタぶりだった。球団広報は試合前に「右肩の違和感」と発表。場内アナウンスも「先発予定だった田中投手が右肩の違和感で回避し、塩見投手が先発します」とコールした。ところが、試合後に星野監督は「放送では肩と言ってたけど、(右)脇腹だよ」と否定した。

 今年は故障に泣かされている。2月のキャンプ序盤に右肘痛を発症。フォームのバランスを崩し、3月中旬には背筋を痛めた。同月30日の開幕戦・ロッテ戦(Kスタ宮城)には間に合わせて自身初の開幕投手を務めたが、4月下旬から腰痛で出場選手登録を抹消。1カ月以上戦列を離れた。

 6月は3勝0敗、防御率1・54で7度目の月間MVPを受賞。昨年も6月に受賞した。6月29日ソフトバンク戦(Kスタ宮城)では、今季初完封勝利と上り調子で「上がってくる月なのかなと思うし、手応えもある」と力強く話していただけにショックは計り知れない。

 指揮官は「抹消はしない。投げさせるよ。(1度先発を飛ばして)次のタイミングで。あす(7日)の状態を見てから」と軽症を強調。前半戦最後の16~18日のロッテ戦(QVCマリン)の登板を目指すが、度重なる故障に不安は残る。前半戦で登板できなければ、球宴登板にも影響が出てくることは必至。エースに再び試練が訪れた。

 【今季の田中とケガ】

 ▽2月上旬 キャンプ序盤で右肘を痛め、スロー調整を強いられる。

 ▽3月18日 オリックスとの練習試合(草薙)で緊急降板。翌19日に「右背筋痛」の診断。

 ▽同30日 ロッテ戦(Kスタ宮城)で自身初の開幕投手。6回5失点で白星ならず。

 ▽4月19日 ロッテ戦(QVCマリン)で完投勝利。試合後に腰の違和感を訴える。

 ▽同22日 腰の張りで2年ぶりの出場選手登録抹消。仙台市内の病院で検査したが異常は見つからず。

 ▽同24日 仙台市内の2軍施設で練習再開。

 ▽5月22日 イースタン・西武戦(利府)で実戦復帰。4回を無失点、6奪三振。

 ▽同30日 巨人戦(東京ドーム)で41日ぶりの1軍登板。8回5安打2失点ながら、杉内にノーヒットノーランを達成されて黒星。

 ▽6月6日 阪神戦(Kスタ宮城)で3失点完投。今季3勝目となる復帰後初勝利。

 ▽同29日 ソフトバンク戦(Kスタ宮城)で今季初完封。

 ▽7月6日 右脇腹痛で登板回避。

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2012年7月7日のニュース