ダル好投呼んだ「フロントドア」ツーシーム

[ 2012年6月22日 06:00 ]

<パドレス・レンジャーズ>初回、ベナブルを二ゴロに打ち取るレンジャーズのダルビッシュ

インターリーグ レンジャーズ4-2パドレス

(6月20日 サンディエゴ)
 レンジャーズのダルビッシュが2試合連続で8回まで投げきった。「結果としては前回と変わらないが、内容はフォーシームを途中からほとんど投げず、シンカー(ツーシーム)にして前回とかなり違う投球ができた」と胸を張った。

 左打者の内角、右打者の外角へのツーシームが効果的だった。これまでダルビッシュが主に左打者に投じてきたツーシームは外角へ逃げながら沈んでいく球種だったが、この日は左打者の懐を1度えぐってからストライクゾーンに入ってくる軌道を使った。打者の上体がのけ反ることで始動が遅れる。外角のボールゾーンからストライクゾーンに入ってくる球を「バックドア」と称するのに対し、その逆が「フロントドア」。この日、5回から6回にかけて奪った左打者の3三振はすべて「フロントドア」ツーシームだった。試合前まで右打者の打率・203に対し、左打者は・259。パ軍は先発オーダーに7人の左打者を並べてきたが、この日は21打数4安打、打率・190と封じた。

 もちろん、試行錯誤の中で投球フォームが安定してきたことも好投の大きな要因だ。軸足が安定しなかった4月。4戦目の24日のヤンキース戦から「土を掘ってブレないようにした」という。さらに「今までのフォームでは自分の球が投げられないので、元に戻した」と左足を上げた際に、日本ハム時代と同様に1度止めてタメをつくった。これにより軸足に体重がしっかりと乗り「体のバランスやタイミングが戻ってきた」と実感する。ロン・ワシントン監督が「速球の制球が決まれば、変化球が生きてくる」と評したように、速球に磨きがかかってきたことが何より心強い。

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2012年6月22日のニュース