中村離脱で5番抜てきの上本 具志堅氏も祝福の2点打

[ 2012年6月17日 06:00 ]

<西・広>お立ち台で具志堅用高氏(中)に祝福される西武の上本(左)と牧田

交流戦 西武6―5広島

(6月16日 西武D)
 今季最多3万3901人からの拍手は鳴りやまなかった。2点リードの6回1死二、三塁。広島バッテリーは、左肩甲下筋の筋挫傷で離脱した西武・中村に代わって、4番に入った中島を当然のように敬遠して満塁策を取った。

 5番に起用されたのは上本。「中村が抜けて、このような僕が5番を任された。みんなが必死でつないでくれたので、還すことだけを考えた」。意地の一打は三塁線を破る2点適時打となった。

 打数は少ないが、試合前までの打率は・349。渡辺監督は5番の秋山を3番に上げ、上本の勝負強さを買って今季3試合目の5番に配した。2回には先頭の中島が右中間二塁打で出塁すると、きっちり送りバント。「初回に無死一塁で併殺していたから、5番でもしっかり送れ」との指揮官のサインを確実に実行し、先制点につなげた。

 「今まで9番も打ったし、1点でも多く取りにいくのは分かっていた。やってやろうと思った」。お立ち台に上がる前には、始球式を務めた元WBA世界ライトフライ級王者・具志堅用高氏と握手。「凄い人なんですよね…。頑張っていればいいことありますね」と予期せぬ対面に笑顔だ。

 不動の4番が離脱するピンチにチームが一丸となった。試合前、栗山主将はミーティングで「中村が抜けたから得点力が落ちたと言われないようにしよう」とハッパを掛けた。2回には炭谷がスクイズで2点目を決めれば、6回には代打・平尾が中前適時打。中島は「サンちゃん(中村)が戻ってきた時、“打たなアカン”とか思わないようみんなでカバーして迎えてあげたい」とナインの思いを代弁した。

 一発に頼らず7安打で6得点。一体感を増したチームは交流戦勝ち越しを決め、4位ソフトバンクにゲーム差なしと迫った。

 ▼西武・長田(9回に1点を失うもプロ10年目で初セーブ)多少緊張感はあったが、みんなが頑張っているところに協力できて良かった。

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2012年6月17日のニュース