6回以降3イニングで8K!ダル初の中7日で復活8勝

[ 2012年6月17日 06:00 ]

<レンジャーズ・アストロズ>8回、3者連続の三振を奪いガッツポーズするレンジャーズのダルビッシュ

インターリーグ レンジャーズ6―2アストロズ

(6月15日 アーリントン)
 これぞダル。完全復活だ。レンジャーズのダルビッシュ有投手(25)が15日(日本時間16日)、アストロズ戦に先発し、8回7安打2失点でリーグトップに並ぶ8勝目を挙げた。メジャー移籍後最長となる中7日のマウンドで自己最多タイの11三振を奪う快投。自身の連敗を2で止め、奪三振数(88)はリーグ3位タイに浮上した。7月10日(同11日)にカンザスシティーで行われる球宴出場へ、また一歩前進した。

 鮮やかなフィニッシュだった。最後の打者となった8回2死、打席には4番のJ・マルティネス。フルカウントまで粘られたが、7球目にダルビッシュが首を振って選んだのは直球だった。95マイル(約153キロ)が外角低めに、糸を引くようにミットに吸い込まれる。こん身の1球で見逃し三振に仕留めると吠えた。ガッツポーズも飛び出した。

 「最初は慎重に投げていたが、最後は思い切って投げていけた。(味方が)点を取るまで我慢しておこうと」

 序盤は丁寧にコーナーを突いた。3回に先制点を許すも、続くJ・マルティネスをスライダーで遊ゴロ併殺。4回無死一塁でも遊ゴロ併殺と要所を締めた。「チームとして乗っていけたし、僕としても気分よく投げられた」。チームが5回に逆転すると勢いに乗る。6回に得意のパワーカーブで3者連続三振。7、8回は力で押した。計30球のうち17球が速球。4者連続を含む5個を奪った。6回以降は9アウト中、三振は8個で自己最多タイの11個を積み上げた。

 ストライクを取る――。連敗脱出へのカギは明確だった。前回のアスレチックス戦では自己ワースト7四死球。ストライク率58%で完全に自滅した。だから序盤は制球に細心の注意を払い、逆転後に右腕を全開に振った。この日のストライク率はヤンキース打線を封じた4月24日に並ぶ自己最高の69%。課題だったツーシームも最後まで切れがあり、直球も含めた速球系は「ストライクゾーンに投げていればファウルもとれた」と話した。

 4月は4勝、防御率2・18も5月以降は3勝4敗、防御率4・99。調子の波が激しい原因は見えない疲れだった。「ずっと中4日、中5日投げていて、知らない間に疲労がたまっていた」。蓄積疲労で頭と体の動きにズレが生まれた。「自分が思うような体の動き」が体現できず、投球フォームに誤差が出ていた。今回は首脳陣の考慮でメジャー移籍後最長の中7日で登板。心身ともにリフレッシュし、登板間には2度の投球練習でフォームの微調整もできた。

 4万7430人の地元ファンを熱狂させた6月初勝利。本拠地では無傷の6連勝だ。初の交流戦登板でナ・リーグの選手たちにもダルビッシュの名前を植え付け、球宴出場にまた近づいた。

 「自分の体も元に戻った。今後もこういう投球ができればいい」。大きな手応えを胸にダルビッシュに笑顔が戻った。

 ≪最長記録は9連勝≫ダルビッシュが本拠地で無傷の6勝目。デビューから本拠地6連勝は1918年以降では史上13人目でレンジャーズでは初めて。最長記録は56~57年に9連勝したジャック・サンフォード(フィリーズ)。また、レ軍の投手で期間に関係なく本拠地で6連勝したのは75年のファージー・ジェンキンズ(8連勝)、83年のリック・ハニーカット(7連勝)に次いで球団史上3人目の快挙となった。

続きを表示

2012年6月17日のニュース