すごいぞ杉内 交流戦最多22勝目&13球団斬り王手

[ 2012年6月6日 06:00 ]

<ソ・巨>8勝目を挙げた杉内はガッツポーズ

交流戦 巨人5-1ソフトバンク

(6月5日 ヤフーD)
 巨人の杉内俊哉投手(31)が5日、ソフトバンク戦で7回無失点に抑え、両リーグトップの8勝目を挙げた。5月30日楽天戦(東京ドーム)でノーヒットノーラン達成後、最初の試合で古巣と初対戦。5回2死から初安打を浴びて連続イニング無安打は14でストップしたが、わずか1安打の快投。元同僚の和田毅投手(31)=オリオールズ=に並ぶ交流戦最多の22勝目を挙げた。チームも今季最多の貯金9とし、首位・中日に0・5ゲーム差に詰め寄った。

 かつての本拠地でのヒーローインタビュー。杉内はこれまでと反対の三塁側に立つと、球場全体を見回した。温かい拍手と歓声が心地良かった。

 「変な感じがした。けど、もう、巨人の選手だから。ジャイアンツの一員として、ここで1勝できてうれしい」

 立ち上がりは不安定だった。初回、先頭の明石にストレートの四球。続く本多にも2ボール。「内心、焦りましたよ。ストライクが入らないって…」。3球目は犠打で1死二塁に変わった。進塁は許したが、最初のアウトを取ったことで「開き直れた」という。

 5月30日楽天戦(東京ドーム)でノーヒットノーランを達成。古巣との初対戦に加え、偉大な記録が心を揺さぶった。「平常心でと思ってたけど、ノーヒットノーランが邪魔をした。いいピッチングをしなくちゃ、と」。冷静さを取り戻した2回以降はストライク先行で古巣を牛耳った。5回2死で江川にこの日初安打を許したのが2試合、15イニングぶり。7回1安打無失点。4者連続を含む8三振を奪ってみせた。

 快挙を成し遂げた夜。数多くの祝福メールや電話の中に、ソフトバンクの王貞治球団会長からの電話もあった。チームを去った立場。予想もしなかった恩師からの賛辞は胸に染みた。その心遣いに応えたかった。古巣と対戦した3月のオープン戦では5回7失点KO。あの時と同じくネット裏から観戦した王会長の前で2度もぶざまな姿は見せられなかった。

 左肘手術で今季絶望となった元同僚の和田からも「いい励みになったよ」とメールが届いた。その和田に並ぶ交流戦最多の22勝。首位・中日に0・5差まで肉薄した原監督は「彼なりにプレッシャーがあったでしょう。ここで育った人ですから」と目を細めた。ハーラートップの8勝。防御率も0・96と0点台に突入した。巨人の「18」にふさわしい姿を、故郷のファンに示した。

 ≪古巣から初勝利≫杉内(巨)が7回無失点で今季8勝目。交流戦は通算22勝目で、和田(ソ)と並び最多タイになった。また古巣のソフトバンクからは初勝利。これで杉内が勝利を挙げたのは広島を除く12球団(近鉄を含む)。現12球団プラス近鉄の全13球団勝利は過去に工藤(西)しかおらず、2人目の記録に王手をかけた。

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2012年6月6日のニュース