阿部V弾呼んだ待球策 摂津の宝刀シンカー見切った

[ 2012年5月20日 06:00 ]

<巨・ソ>6回無死一塁、左越えに先制2ランを放つ巨人・阿部

交流戦 巨人2-0ソフトバンク

(5月19日 東京D)
 勝負を決めたのは阿部の先制2ラン。しかし、開幕から5連勝中だった難攻不落の摂津を攻略したのは巨人打線全体としての力だった。

 摂津の決め球は低めに沈むシンカー。これをとことん見極めた。打者1巡目はシンカー12球中、阿部の四球など6球をボールと見逃した。「あれを打ったら術中にはまる。何とか我慢」と阿部。2巡目では異変を感じた摂津がシンカーを3球に減らしたものの、決め球を欠くことで球数が増加。5回までに相手の球数は93球に達していた。

 阿部は言う。「人間だから球数が増えたら疲れる。それがきょうの勝ちだったと思う」。迎えた6回の円陣で徹底されたのは「外角球を逆方向へ」。号令を下したのは原監督だった。摂津のもう一つの武器は球界随一と誰もが認める制球力。外角の出し入れだけでも勝負できる。宝刀シンカーを使えなくなった摂津は外角に直球を多投。しかし、球威は落ち、それを狙った。村田が右前へ運び、阿部が左越え2ラン。いずれも外角直球を逆方向に打ち返した。東京ドームで阿部が本塁打した試合は10年7月から20連勝に伸びた。試合を決めた一振りは、試合の中でつくり上げた。

 ▼巨人・橋上戦略コーチ 摂津は球数も増え、球が浮き気味だった。外角を狙うという原監督の指示が大きかった。

 ▼巨人・村田 (6回先頭で外角球を右前打)外中心で来ていた。勇気を持って割り切るしかないと思った。

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2012年5月20日のニュース