中畑監督あ然…ビデオ判定も画面小さく“本塁打”確認できず

[ 2012年5月20日 06:00 ]

<D・ロ>2回、ラミレスの大飛球はビデオ判定の結果ファウル。それでも納得がいかず、DeNA・中畑監督は名幸球審に再抗議する

交流戦 DeNA2-4ロッテ

(5月19日 横浜)
 幻の先制アーチ。試合後のDeNA・中畑監督の言葉の端々にはやり切れない思いがにじみ出ていた。

 「スタンドのロッテファンですら“あれはホームラン”と言っていた。あれが誤審だったら怒るよ。ウチにとっては本当に大きなダメージ」。問題のシーンは0―0の2回、先頭のラミレスが成瀬の投じた5球目のスライダーをフルスイング。低い弾道のライナーは、左翼ポールを巻いて、ロッテファンが陣取るスタンドに飛び込んだように見えた。チーム13イニングぶりの得点と沸き立った瞬間、友寄三塁塁審はファウルの判定。すぐさま中畑監督が抗議に行き、今季初のビデオ判定となったが、いつまでたっても審判団がグラウンドに戻ってこない。約7分間もの中断の結果、判定はファウルのまま。判定が覆ると思っていた中畑監督は再びベンチを飛び出した。前代未聞のビデオ判定後の再抗議。もちろん聞き入れられず、DeNAファンからは「完全に入っているだろ!」と怒号が飛んだ。

 映像はバックネット裏付近と三塁側寄りの2種類の角度から撮られた。テレビ画面は16型と小さく、ビデオデッキも家庭用でコマ送りの際は画像が荒れる。そのため一つはファウルに見え、もう一つは打球の行方を確認できなかった。責任審判でもある友寄塁審は「私の判断です。はっきりと確認できなかったので(最初の)判定通り」と説明した。

 幻の先制弾が響いて4連敗。借金もワーストを更新する13となった。早くも今季3度目の抗議とジャッジに泣かされ続けている中畑監督は「ツキがないんだな…」と嘆くしかなかった。

 ▼プロ野球の本塁打ビデオ判定 06年6月11日のロッテ―巨人戦(千葉マリン)でイ・スンヨプの本塁打が取り消されたことを契機に、巨人が導入を主張。06年10月2日の実行委員会で初めて議論された。セ・リーグは09年11月の理事会で、10年度からの導入を正式決定。当初は消極的だったパ・リーグも、同年12月の理事会で導入を決めた。公式戦での適用第1号は、10年3月27日の巨人―ヤクルト戦(東京ドーム)。

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2012年5月20日のニュース