小川監督 采配ズバ!データでなく「人間の中の力関係で」

[ 2012年5月11日 06:00 ]

<中・ヤ>8回1死満塁、ヤクルトの代打・福地は逆転の右越え2点二塁打を放つ

セ・リーグ ヤクルト3―1中日

(5月10日 ナゴヤD)
 信念を貫いた采配が的中した。ヤクルトは代打策が実り鮮やかな逆転勝ち。負ければ今季初の4連敗の危機だっただけに、小川監督は「勝ってホッとした。藤本、福地が良い仕事をしてくれた」と値千金の仕事をした2人をねぎらった。

 7回まで三塁すら踏めず無得点。8回1死二、三塁の好機で動いた。9日の前夜に4年ぶりのアーチを放った福川に代えて藤本を起用。浅尾のフォークを見極めて四球を選ぶと、続いて代打で起用された福地も期待に応えた。右翼の頭上を越える決勝の逆転2点適時二塁打。「最高の場面で立たせてもらった。超一流の投手なので胸を借りるつもりで打席に入った。うまいこと芯に当たりました」と指揮官に感謝した。

 浅尾の今季の被打率はこの対戦まで右打者が・314に対し、左打者が・138。データを考慮すれば右の福川をそのまま打席に立たせ、福地の場面も右打者の野口を起用する手もあった。だが、指揮官の考えは一貫していた。「ウチは右対右どうこうではなく、いる人間の中の力関係で考えている」。迷いなく左打者のカードを2枚切り、最高の結果につなげた。

 村中、川端と投打の柱が故障で登録抹消されたが、泰然自若の姿勢は変わらない。「ケガ人は1年間戦う上で仕方ない。いる人間でやることは変わらないですから」。ブレない采配に選手も応える。首位・中日とは0・5差だ。

 ≪代打成功率・341は両リーグトップ≫ヤクルトが代打・福地の2点適時打で逆転勝ちを収めた。これで今季逆転勝利はリーグ単独最多の6度目。チームの代打成功率は・341(44打数15安打)となり、中日の・327を抑え両リーグトップを誇る。

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2012年5月11日のニュース