杉内10K!元日始動で“ミスターメイ”が“4月男”に

[ 2012年4月18日 06:00 ]

<中・巨>8回2死一、三塁、森野を三ゴロに打ち取りガッツポーズする巨人・杉内

セ・リーグ 巨人4-1中日

(4月17日 ナゴヤD)
 スギさん、また奪三振ショーだ。巨人の杉内俊哉投手(31)が17日、中日戦で8回を4安打1失点で今季2勝目を挙げた。今季初完投こそ逃したが、2試合連続、自身51度目となる2桁10奪三振をマークした。ソフトバンク時代に「ミスターメイ(5月)」と呼ばれた左腕が新天地では4月から飛ばす。
【試合結果】

 最後は気持ちで押し切った。杉内は8回、平田にソロを浴び1点差に迫られ、なお1死一、三塁のピンチを招いた。「犠飛はしようがないくらい開き直って。もちろん思い切り投げました」。荒木を141キロ直球で10個目となる三振。続く森野はチェンジアップで三ゴロに仕留めた。

 「前の試合で嫌な形で負けて連敗はできなかった。大事な試合と思っていたので、自分にプレッシャーをかけました」

 15日DeNA戦(新潟)のサヨナラ負けで連勝が4でストップ。左腕は、18番を背負う男の覚悟を吐露した。6回に3者連続三振を奪う2試合連続の2桁奪三振で通算51度目。大リーグに移籍したダルビッシュの52度に迫り「三振も結構取れたし、自分らしい投球だと思う。追い込んだら狙っています」とうなずいた。

 右足を上げ、テークバックに至るまで全てがスロー。左腕を振る瞬間、急激に速くなる。そのギャップに打者は戸惑う。この日の最速は144キロ。3打数無安打1三振だった中日の4番・山崎は「直球だと思い、振りにいっても差し込まれた。去年よりも真っすぐは良かった」と球速以上のスピード感に脱帽した。

 さらに同じ腕の振りからのスライダーは130キロ近い高速と120キロ前後の2段変則。縦の落差が大きいチェンジアップが加わる。直球が速く感じれば、球速の落ちる変化球にはついていけない。だから150キロが出なくても三振を獲れる。

 移籍初年度へ向け、ひそかに元日から福岡市内で始動していた。「記憶にない。プロでは初めて。やれることをやっておきたかった」。FA交渉で年末まで練習時間が削られたこともあり、新天地でかかる重圧が移籍左腕を動かした。例年は5月に調子を上げ、07年から昨年まで14連勝を飾り「ミスター・メイ」と呼ばれた。今季は開幕3戦目でチーム初勝利をつかみ、前回7日の阪神戦(甲子園)も7者連続を含む12奪三振と4月から好調ぶりが目立っている。

 昨季日本シリーズで中日を2試合14回1失点に封じた「ドラキラー」は「7、8回は疲れもあった。9回まで投げられるように調整したい」。その視線は、移籍初完投を狙う次なるマウンドにもう向けられていた。

 ▼巨人・原監督 杉内は(今季)一番良かった。直球がいい時は変化球も生きる。きょうの投球は本人も満足しているでしょう。

 ▼巨人・川口投手総合コーチ 立ち上がりはマウンドの傾斜をつかむのに時間がかかったが、徐々に本来の投球になっていった。

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2012年4月18日のニュース