中田 打って当然弾!直球試した同い年の藤岡に痛烈洗礼

[ 2012年3月26日 06:00 ]

<ロ・日>3回1死一塁、日本ハム・中田は左越えに2ランを放ち藤岡(右後方)を尻目にベース一周

オープン戦 日本ハム4-2ロッテ

(3月25日 QVC)
 「中田世代」が平成の名勝負をつくる。日本ハムの中田翔内野手(22)が25日のロッテ戦(QVCマリン)でドラフト1位・藤岡貴裕投手(22)と初対決。全球直球で挑んできた同学年左腕に対し、3回に左越え2ランを放つなど2安打2打点でプロの先輩の貫禄を見せた。ヤクルト・由規、ロッテ・唐川との「ビッグ3」対決だけではない。89年生まれ同士の新たな戦いが将来の日本球界を支える。

 まるで鉄仮面のようだった。3回1死一塁。中田は藤岡の142キロ直球をはじき返すと、打球は左翼スタンドに飛び込んだ。2月25日の楽天戦以来のオープン戦2号。注目のルーキー左腕から放っても喜ぶ様子はなかった。試合後はニコリともせずにこう振り返った。

 「変化球は1球も投げなかった。自分に対して直球を試そうとしていた。だから打っても何とも思わなかった」。5回にも左翼フェンス直撃の二塁打。同学年といえどもプロでは先輩。直球と分かっていれば、打って当たり前ということだ。

 「直球勝負は楽しいが、1点もやれない場面になれば投球自体も変わる。シーズンに入ってからの真剣勝負の方が楽しみ」。4年間プロの荒波にもまれてきた。だからオープン戦の結果がシーズンに直結しないと分かっている。さらに変化球を交えて本気で抑えにきた時の藤岡が好敵手になることもよく分かった。

 大阪桐蔭の主砲と、桐生一の本格派左腕は06年夏、07年春と甲子園に同時出場している。ところが、高校通算87本塁打で怪物と騒がれたあの頃の中田は「自分のことにしか興味がなかった」と、直接対決のない藤岡の存在を知らなかった。昨秋ドラフトの目玉となったことで、同学年左腕に興味をひかれた。

 まだ、会話はしていない。それでも24日の試合中にグラウンドですれ違うと、中田の方から「ウィース」と藤岡に声を掛けた。周囲から「先輩面か!」と冷やかされたが「お互いに活躍して刺激し合えることができれば…」と由規、唐川を含めた同世代で野球界を盛り上げたい思いがある。

 そんな気持ちはベンチで戦況を見守った栗山監督にも伝わった。「(中田から)絶対に負けないという闘争心が出ていた。名勝負というのはそうやって生まれる。(楽天の)田中ともそうだし、そんな対決が多くなってほしい」。オープン戦でトップの13打点。勝負強い4番は力を込めて言った。「誰にもこのポジションを渡したくない。自信はある」。若い力は頼もしい。

 ▽中田VS唐川・由規 同じパ・リーグの唐川とは通算18打数3安打、打率.167で0本塁打1打点と抑えられている。由規とは昨季交流戦で初対戦し、1打数1安打(中前打、ほか3四死球)。また由規からは昨年オールスター第3戦で投ゴロ併殺、2軍では08年に1打席の対戦で本塁打を放っている。

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2012年3月26日のニュース