日本を引っ張る投手に!“ダルの穴”はマエケンが埋める

[ 2011年12月20日 08:04 ]

契約更改を終え、来季の目標を掲げる広島・前田健

 2年連続奪三振王に輝く広島・前田健太投手(23)が来季の契約更改交渉に臨み、3000万円増の年俸1億5000万円でサインした。10勝12敗、防御率2・46に終わった今季。「95%が悔しい気持ち」と振り返ったが、3年連続で示した安定感などが評価された。エースは肉体改造に着手しており、ダルビッシュの後継者として「日本を引っ張る投手になりたい」と宣言した。

 契約交渉の大トリを務めた前田健は「見えないところまで評価してもらい、嬉しい」と喜んだ。2年連続2桁勝利に投球回数200イニング超。25試合を数えたクオリティースタート、リーグ2位の奪三振率8・00、同8位の被安打率7・41に3年間の安定感も加味された。「プロ5年間で最悪のシーズン」でもアップを勝ち取り、エースは自身の進化を実感していた。

 会見では“衝撃”の事実も明かされた。「技術も大事だけど、まずは土台」として、シーズン中にスポーツ・フィットネス関連サプリメントメーカーと契約。併設する施設で先ごろ数値を計った結果、筋肉量や脂肪量はアスリートのそれではなく、一般人と同じ「適正」表示だったという。23歳は冗談まじりに言った。

 「普通のサラリーマンでも、200イニング投げられると言うことですね。ともかく、自分の体のショボさをあらためて感じた。鍛えればもっとスゴい球が投げられると思う」

 多彩な変化球を操る右腕だが、状態がよければストレート一本で押せる投手になりたい…が、理想。そのための肉体改造で、今季後半戦から定期的にプロテインを摂り始め、専門家にウエートトレのメニューや食事管理を依頼しているという。

 ハートを鍛えることも忘れていない。終盤10月11日の横浜戦は7回2死まで、10月24日の最終ヤクルト戦では9回1死まで無安打投球を演じた。「来季はノーヒッターになり、別の評価をもらえれば最高」。高い意識と目標設定。ダルビッシュや和田、岩隈がメジャー移籍を表明した日本球界にも視線を向けた。

 「好投手がたくさん米球界に行く。ある意味チャンス。ダルさん、和田さんらが日本を引っ張ってきたと思うので、引っ張れる投手になりたい」

 その前に赤ヘルのエースとしての役目がある。24歳の来季。「投手陣の先頭に立ち、シリーズで投げたい思いが年々強くなっている。年男なのでいい事があると信じて頑張りたい」。前田健は有言実行を心に誓った。

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2011年12月20日のニュース