5月誕生の長女が励み…永井が今季2度目の完封

[ 2011年7月30日 06:00 ]

<ロ・楽>1000試合出場の高須(左)は永井からウイニングボールを最敬礼して受け取る

パ・リーグ 楽天4-0ロッテ

(7月29日 QVC)
 最後まで投げ抜くために工夫された配球だった。楽天・永井が9回2安打で今季2度目の完封。5月31日の広島戦(Kスタ宮城)以来、59日ぶりの白星となる4勝目を挙げた。

 「嶋のリードが良かった。最初は直球とスライダー中心で組み立て、中盤からフォークを入れて、完投を意識した」

 狙い球を絞らせず凡打の山を築いた。試合前のブルペンでスライダーが切れていたことから、直球と合わせて投球の軸とした。従来の決め球であるフォークは温存し、初めて使ったのは第1投から数えて27球目。中盤以降は惜しみなくフォークを解禁した。打者に球種を絞らせず、7回1死から今江、清田をフォークで連続三振。5回以降は一人の走者も許さない内容に星野監督も「途中からフォークでうまく打ち取っていた」と評した。

 永井は防御率2・28と安定しながら、勝ち運に恵まれなかった。さらに今月4日には右肩棘下(きょっか)筋の炎症で出場選手登録を外れた。折れそうな心を支えたのは家族だった。5月20日に第1子の女の子が誕生。最近はテレビの音に反応するようになり「そろそろ目が見えてくるんですよね。早く投げている姿が分かるようになればいいですね」と成長を楽しんでいる。帽子のつばには自身(怜)と真美夫人と長女(名前非公表)の頭文字「SMM」と書き込み、家族とともにマウンドに立っている。

 27日には右肩痛から復帰した岩隈が白星を挙げた。そして永井の復活。CS進出圏内の3位・ロッテに0・5ゲーム差に迫った。「クマ、永井が戻ってきたのは大きいな」と指揮官。駒がそろい、反攻の態勢を整えるチーム。30日も勝てば、5月1日以来の3位に浮上する。

 ▼楽天・佐藤投手コーチ(永井に)真っすぐもフォークも低めに決まっていた。

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2011年7月30日のニュース