星野監督 伊良部氏の死に悲痛「指導者になりたがっていた」

[ 2011年7月30日 06:00 ]

<ロ・楽>永井を迎える星野監督

 楽天・星野監督は教え子の訃報に驚きを隠せなかった。早朝のニュースで伊良部氏の死去を知り「何でという感じ。本当に、本当に自殺なのか…」と寂しそうな表情を浮かべた。

 近年は顔を合わせる機会こそなかったが「去年、電話をもらった。独立リーグでプレーする時も連絡をもらった」と親交は続いていた。

 破天荒なイメージが強い伊良部氏だが、星野監督は別の一面を強調する。「指導者をやりたかったんやろうな。日本と米国で学んだ自分の財産をどこかに伝えたい、というのがあったんじゃないかな。配球の話をすると、こっちが“もうええわ”となるぐらい話した」。野球への取り組み方は真摯(しんし)で、研究熱心だったという。

 楽天監督就任後も、何度となく故人との思い出を語ったことがある。阪神監督時代の02年オフに、レンジャーズを自由契約になった伊良部氏を獲得。03年には同氏を先発陣の柱に据えてリーグ優勝を達成。ダイエーとの日本シリーズでも第2戦に起用したが、モーションの大きさ、さらに投球時の癖を読まれて相手の機動力にかき回された。それでも第6戦に再び先発起用。しかし、第2戦に続く敗戦投手となり、当時は伊良部氏の2度の起用が日本一を逃した要因とも采配批判された。

 指揮官は「いろいろ言われたけど後悔していない。あいつがいなかったら日本シリーズに行けなかった」と振り返った。

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2011年7月30日のニュース