村田アドレナリン打!G粉砕 満塁一掃逆転二塁打

[ 2011年4月30日 06:00 ]

<横・巨>6回2死満塁、右越え3点適時三塁打を放った横浜の村田は拳を突き上げ、ベンチへ戻る

セ・リーグ 横浜7-6巨人

(4月29日 横浜)
 2点を追う6回2死満塁で、横浜の村田が打席に入った。1ボール1ストライクから外角高めの甘いカーブをはじき返す。「アドレナリンも出て気持ちが入りました」という一打は右翼手の頭上を越える走者一掃の逆転3点適時二塁打。さらに送球間に次の塁も陥れた。

 大歓声の中、三塁ベース上ではガッツポーズを2度繰り返した。理由があった。「1度目は自分に、2度目はベンチのみんなに合わせてです」。低迷するチームを言葉だけでなく、プレーでも喚起したかった。

 今季は新主将としてベンチでも最前列に座る。5点を追う4回の攻撃前には円陣を組み、「まだ序盤。1点ずつ返そう」と声を出した。ミスが重なり、3連敗を喫した28日の中日戦(ナゴヤドーム)。試合後のベンチ裏では捕手の武山を「(投手)小杉のバント失敗。あれはないだろ。おまえが言えよ。おまえも投手を引っ張れよ」と鼓舞した。チーム全体を見て、リーダーシップを発揮する。

 最大5点差を逆転。大型連休の初日にスタンドを埋めたファンの前で連敗を3で止めた。お立ち台で「いいところを見せたい一心でバットを振った」と笑った主砲は「まだ上位とそれほど離されてはいない」と、反攻を誓った。まだ借金4で最下位。だが、村田に気力が満ちている限り、はい上がるチャンスは十分にある。

 ▼横浜・尾花監督 疲れる試合でした。(村田の場面は)あそこは本当に大変なところ。力まず打ってくれた。暗くやっても明るくやっても野球は変わらない。なら明るくやります。

 ≪右翼席に「がんばろう日本」の巨大フラッグ≫試合前と7回裏の攻撃前に、右翼席に「がんばろう日本」と記された横21メートル×縦14メートルの巨大フラッグが登場した。横浜球団と選手会の東日本大震災復興支援プロジェクトの一環で製作され、選手やファンがメッセージを書き込んだ。加地隆雄球団社長も「横浜の真心」と記し、「ファンも協力してくれて本当に感激です。やっぱり横浜ベイスターズは横浜に居続けることが一番いい」と声を弾ませていた。

 ≪巨人戦で5点差以上の逆転勝利は4年ぶり≫横浜が今季最初の巨人戦で逆転勝ち。横浜が巨人とのシーズン初戦で勝利するのは05年以来6年ぶり。巨人戦での5点差以上の逆転勝利は、07年9月1日に0―6→8―7として以来4年ぶりとなる。またこの日は村田が満塁走者一掃の逆転二塁打。昨季の5点差以上の逆転勝利は4月30日ヤクルト戦(0―6→7―6)、5月18日楽天戦(0―5→7―5)と2度あったが、いずれも決勝打は村田。今回も大逆転劇の主役となった。

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2011年4月30日のニュース