イチロー 12度目マルチに3戦連続打点で3連勝

[ 2011年4月30日 06:00 ]

<タイガース・マリナーズ>5回、二塁内野安打を放つマリナーズのイチロー

ア・リーグ マリナーズ7-2タイガース

(4月28日 デトロイト)
 マリナーズのイチロー外野手(37)は28日(日本時間29日)、タイガース戦で3回に反撃の口火となる適時二塁打を放つなど、今季12度目のマルチ安打で、安打数はリーグトップに躍り出た。また、3試合連続適時打で4月は12打点とし、2試合を残して07年に並ぶ同月の自己最多打点。スロースターターといわれるイチローだが、今季は開幕から全開で、チームを今季初の3連勝に導いた。29日(同30日)のレッドソックス戦では、先発する松坂大輔投手(30)と今季初対決が待ち受ける。
【試合結果】

 逆転での今季初の3連勝。地区最下位は変わらないが、イチローはチームに一体感を見いだしていた。

 「そういう(試合を諦めない)選手が集まっている気がしますね。監督からのプレッシャーもあるかもしれない。監督はそういう(手を抜く)ところが嫌いだから」

 2点を先制された直後の3回だった。8番ソーンダース、9番Ja・ウィルソンの連続安打で無死一、二塁。イチローは92マイル(約148キロ)の内角高め直球を右中間に運ぶ適時二塁打。反撃の口火を切った。続くフィギンズの遊ゴロの間に三塁走者が生還し、試合を振り出しに戻した。

 イチローは3試合連続適時打で今月12打点目。5回にも二塁内野安打を放ち、今季35安打で安打数は今季初めてリーグトップに躍り出た。好調の要因は指揮官の攻撃面への明確な意図にある。「(監督は)隠れたところに価値観を見いだしている。僕はそういうところがいいな」とイチロー。今季のマ軍は、開幕ベンチ入りした25人中5人が、春季キャンプではマイナー契約の招待選手。いわば、「寄せ集め」の戦力でスタートした。その中、エリク・ウェッジ監督は8、9番は固定しないものの、俊足でかつ小技が利く選手を配置。狙いは塁上から投手を揺さぶり、直球を投げさせるのが目的だ。イチローの今季対直球打率は・306。本来なら直球勝負を避けたいところだ。しかし下位打線が活発なため、走者を置いた場面ではイチローにも、相手投手が直球を選択せざるを得ない状況が増えた。事実、イチローの今季10本の適時打中、6本が直球を打ったもの。リーグ2位の得点圏打率・429もうなずける。

 打線全体の意識も変わった。昨年4月終了時に82得点だった打線は、今季は102得点。昨季との違いは「無駄な打席をつくらない」という徹底したチーム方針。例えば、凡打しても、相手投手のスタミナをできるだけ奪う。開幕から26試合で相手投手に投げさせた球数は30球団中最も多い3980球(1試合平均153球)。昨季は1試合平均143球で、打席数もリーグワーストの5989打席。指揮官も「見えないところでの成果が出ているし、いい方向に進んでいる」と手応えを口にした。

 ▽イチローの4月の月間複数安打 4月は残り2試合を残し、12度目の複数安打をマーク。メジャーで過去10年間の4月最多複数安打試合は05年の14度で、12度は昨季と並ぶ2位タイ。残り2試合で自己最多記録に挑戦する。また、二塁打6本は02年の7本に次ぐ2位。今季は得点圏に走者を置いた場面での打席が多く、そこで長打を打てることが自身の打点やチームの得点力に直結している。

続きを表示

2011年4月30日のニュース