山本斉、プロ初勝利!ヤクルト3戦連続“完封”

[ 2011年4月23日 06:00 ]

<広・ヤ>プロ初勝利を挙げたヤクルトの山本斉は、ウイニングボールを手にファンにあいさつ

セ・リーグ ヤクルト5―0広島

(4月22日 マツダスタジアム)
 32年ぶり快挙だ!ヤクルトは22日、広島戦(マツダ)に先発した山本斉(ひとし)投手(21)が7回2安打無失点。入団4年目でプロ初勝利を挙げるとともに、チームは3投手による完封リレーで、79年以来の球団タイ記録となる3試合連続完封をマークした。チームも5連勝で首位・広島に0・5ゲーム差。現在30イニング連続無失点と好調な投手陣が、チームの快進撃を支えている。

 初めて手にしたウイニングボール。スタンドの野球少年に「下さい!」とせがまれた山本斉は「さすがにこればっかりはあげられん」と苦笑いも「いろいろ苦しんでここまで来た。この1勝はでっかい」と笑った。

 6連勝中の広島相手の今季初登板。4年目右腕は心に誓った。「相手は調子がいい。開き直って思い切って腕を振ろう」。最速145キロの直球は威力満点。さらにカーブで緩急をつけ、フォークを決め球に使った。左投げでも変化球を投げられる器用さを持つ男は、雨中の試合ながら直球を含めると7種類の球種を操った。多彩な上、低めの制球力も抜群。21個のアウトのうち11個の内野ゴロがそれを物語り、三振も5つ奪った。

 遅れてきた大器だ。酒田南から07年高校生ドラフトで由規に続いて指名された。昨季も先発として期待されたが春季キャンプで右肘じん帯断裂。1試合だけの登板に終わった。今オフは徹底した走り込みを敢行。「陸上部みたい」と毎日20メートルダッシュを300本こなした。そのつらさを5回2死で四球を出した時に思い出した。「あれだけやったんだ。こんなところで崩れるわけにはいかない」。7回2安打無失点。最後まで崩れなかった。

 座右の銘は「男は絶対負けるな」。平成生まれの昭和男。負けん気が強く、同期の由規をライバル視してきたが、今では2人で常に励まし合っている。「あいつは本当に頑張っている。高校も同じ東北で一緒。俺もついていきたい」。5連勝したチームは32年ぶりの球団タイ記録となる3試合連続完封。山本斉自身のプロ初完封はお預けとなったが「やらせてもらいたかったけど、チームが勝つことが一番。記録に名前も残せてうれしい」と笑った。ヤクルトの強力先発陣にまた1人、頼もしい右腕が加わった。

 ▼ヤクルト・荒木チーフ兼投手コーチ(山本斉初勝利に)常に攻めてた。気持ちの強い子だからそれが前面に出ていた。

 ◆山本 斉(やまもと・ひとし)1989年(平元)7月10日、大阪府生まれの21歳。酒田南では1年夏に背番号11で甲子園出場。宇部商(山口)との3回戦に先発したが敗退。07年高校生ドラフト3巡目でヤクルト入団。2年目の09年10月11日の中日戦(神宮)でプロ初登板。昨年は春季キャンプで右肘靱帯(じんたい)を負傷して出遅れ、登板はわずか1試合だった。1メートル79、76キロ。右投げ右打ち。

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2011年4月23日のニュース