被災地に医薬品を 1型糖尿病患う阪神左腕が支援訴える

[ 2011年4月3日 11:04 ]

岩田(左)は榎田とともに補強運動

 阪神・岩田稔投手(27)が2日、甲子園球場の室内練習場で調整。1型糖尿病を患う左腕は、東日本大震災の被災地で深刻化する医薬品などの数量不足に言及。自身も「1型糖尿病研究基金」に寄付を行うだけに、基金の重要性や災害時におけるネットワーク構築の必要性を訴えた。

 大阪桐蔭2年の冬に1型糖尿病を発症した岩田は、1日4回のインスリン注射や食事などに一定の制限が加わる身だ。「(インスリンを)被災地で手に入れるには時間がかかるでしょうね…。足りないという話も聞きます」。病気を抱えながら避難所生活を強いられる被災者を思いやった。

 08年12月に難病の原因究明と根治につながる研究を助成する「1型糖尿病研究基金」の存在を知り、1勝につき10万円の寄付をしている。7勝を挙げた09年は70万円の寄付を行ったが、昨季は左肘手術の影響で未勝利に終わった。「(インスリンは)他の病院に行ってもカルテがないと処方してもらえないし、手に入れるのは難しいと思います…」。同じ病に苦しむ人たちが満足な治療を受けられない現状は容易に想像がつく。

 「(基金は)絶対必要だし(災害時の体制づくりは)動かないことにはそういうこともできない」。岩田は言葉に力を込めた。プロ野球選手として何ができるのか-。「必死にやるしかない」。まずは勝利を重ね寄付金を増やしていくだけだ。

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2011年4月3日のニュース