打つだけじゃない!ラミ 足で勝利に貢献

[ 2010年10月23日 06:00 ]

<中・巨>6回巨人2死一塁、高橋の左中間打でラミレスが生還。捕手谷繁がブロックしているようにも見えるが…

 【巨人3-2中日】4番打者がチームに貢献できるのは、何も打つことだけではない。巨人の主砲・ラミレス。その足で奪い取った価値ある1点が終盤にもつれたゲームで効いていた。

 「非常に好走塁でしたね。あの1点が大きかった」。原監督も絶賛するのは6回だ。5回にファイナルS初得点を挙げ、追加点が欲しかったこの回。2死一塁から高橋が左中間を割る。ここで一塁走者のラミレスが最高の走塁を見せた。

 今季わずか1盗塁。確かに足は速くない。しかし、やるべきことをすべてやった。二塁から三塁へスピードを緩めず、三塁ベースはロスなく鋭角に回る。そして本塁には回り込むのではなく、一直線に滑り込んだ。中日は中堅・英智→遊撃・荒木→捕手・谷繁と完ぺきな中継。本塁で谷繁のタッチを間一髪かいくぐることができたのは、一つのロスなく走れたから。本塁打の出にくい広いナゴヤドームで、深い外野の特性を足で生かした。
 「今年1年で一番早く走ったよ。まだ足が疲れてる。年なんで」。36歳のラミレスはおどけたが、三塁コーチャーの緒方外野守備走塁コーチは「向こうの中継プレーとラミちゃんの足を考えての判断だけど、あのタイミングで回してアウトでも後悔しない」と言った。それほどまで完ぺきな走塁だった。

 今季49発のホームランキングがひたむきな走塁で稼ぎ出した1点。圧倒的な劣勢の流れを変えられるのは、こうした地味なプレーなのかもしれない。

 ▼中日・谷繁 自分としてはしっかり止めたつもり。あそこで1点入るのと入らないのでは全然違う。

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2010年10月23日のニュース