内海「最高の球」被弾もCSローテ前進

[ 2009年10月3日 06:00 ]

<巨・横>巨人先発・内海哲也(左)は8回攻撃前に原辰徳監督の元へ行き、続投を志願?

 【巨人0-1横浜】巨人・西山バッテリーコーチは言った。「投げた球は低めの最高の球だった。ただ、2―3のカウントではうまくバットが出る所だった」。両軍無得点の7回。内海は先頭の村田に、フルカウントから投じた低めの直球を、左翼スタンドに運ばれた。

 2―3からの最高の1球。内海は「(投げた直球に)悔いはないですけど、決めようとすると力んでしまう。打たれたので失投です」。反省したのにはわけがある。同じシチュエーションで同じ球を被弾したのは、今季2度目だった。話は49日前にさかのぼる。8月14日、東京ドームでの阪神戦。4回1死一塁、カウント2―3から、桜井に低めの直球を左翼席に運ばれている。冒頭の西山コーチのコメントが当てはまるシーンだった。

 2―3では投手と打者が互角のカウントとされる。打者はどの球にも対応する意識が強まり、バッテリー側からすれば裏をかく配球が難しいと言える。それを考えれば今季の内海の2―3での成績は71打数17安打、被打率・239と悪い数字ではない。それだけに試合を決める1球になったことが悔やまれた。

 ただ、この1球は7年ぶりの日本一を目指すチームにとって、良薬となった。今季の先発陣はゴンザレス、グライシンガー、オビスポの外国人右腕トリオで33勝を稼いでいる。前半戦は出遅れた内海は9月以降の5試合で4勝1敗、防御率1・13。CS、日本シリーズを考えれば、軸となる左腕が復調したことでバリエーションが増える。原監督は「テツ(内海)はナイスピッチングだった。ずっと状態は良いですね」と手応えを得た。4年連続2ケタ勝利はお預けとなった内海は「まだCSがあるので気持ちを切らさずいきます」。短期決戦での勝負どころで、2―3からの1球で、反省を生かせばいい。

 ≪執念采配実らず…今季6度目零敗≫巨人打線は初対戦のランドルフを打ちあぐね、今季6度目の零敗。原監督の執念采配も実らなかった。7回1死から代走・鈴木が初球に二盗成功。打者・寺内のカウントが0―2となった場面で、代打・鶴岡を送った。「点数が入る確率が高い用兵をした」と説明したが、直後に鈴木が三盗を試み、けん制球に引っかかりチャンスをつぶした。1安打のラミレスは「素晴らしい投球だった」と相手左腕に脱帽していた。

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2009年10月3日のニュース