高知 雨のち雨のちあっぱれ!公文が熱投160球

[ 2009年8月12日 06:00 ]

<如水館・高知>勝利を決め喜ぶ高知ナイン

 【高知(高知)9―3如水館(広島)】これぞ3度目の正直。第91回全国高校野球選手権第2日は11日、甲子園で1回戦4試合が行われ、大会史上初となる2日連続降雨ノーゲームとなっていた高知―如水館の一戦は、高知が9―3で勝ち30年ぶりに初戦を突破した。高知勢は夏通算80勝。ノーゲームの2試合ともリードしていた如水館にとっては“天国から地獄”となってしまった。第3試合の天理は部員が新型インフルエンザに感染した影響を感じさせずに大勝。常葉学園橘、長野日大も勝ち上がった。

【試合結果


 雨のち雨のち晴れ。見上げる空からは何も落ちてこない。甲子園のマウンドで初めて太陽を見た高知のエース公文(くもん)は、まるで水を得た魚のようだった。
 「晴れたマウンドは投げやすい。自分の投球ができた。腕を振ってしっかり投げられた」
 踏み込む右足はぶれない。雨でぬかるむマウンドとは大違いだ。思い切り腕を振り、球速は中止になった2試合から約5キロアップ。直球の威力が増せば変化球も有効に使える。先頭の山田に右前打された初回。2番・白岩をスライダーで、2死後の4番・宮本は143キロ直球で空振り三振に仕留めた。「2日間の雨でも攻める気持ちを切らさなかった」という左腕は160球を投げきり、自己最多の14奪三振で如水館をねじ伏せた。
 史上初の2試合連続降雨ノーゲーム。公文は3回2失点、4回6失点でリードを許したが雨に救われた。滑って踏み込みが浅くなるマウンドでは「自分の歩幅で投げられない」から軸足(左足)が折れ、体重移動ができなかった。タメが効かず球威がダウン。加えてボールも滑って変化球が使えず、力ない直球を狙い打たれた。前夜は木下捕手と「変化球を増やそう」と話し合った。直球の威力が増したことで、配球がズバリとはまった。
 ベンチでは「腕がちぎれても投げきってくれ」と激励した島田監督は「バッテリーが(雨の)2試合を生かしてくれた」と目を細めた。3日間合計305球を投げ抜いたエースは「でも、雨は好きじゃないです」。公文の笑顔が高知に“晴れ間”を運んできた。

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2009年8月12日のニュース