オランダ奇跡!ドミニカに逆転サヨナラ勝ち

[ 2009年3月12日 06:00 ]

ドミニカ共和国に勝って喜ぶオランダの選手たちと、ガックリするドミニカのオリボ捕手

 【WBC オランダ2-1ドミニカ共和国】グラウンドで、オランダナインが次々と抱き合い折り重なった。延長11回サヨナラ。優勝候補のドミニカ共和国を撃破し、2次ラウンド進出。米国人のデルモニコ監督は、選手たちを見つめながら涙を浮かべた。

 「これは奇跡。ドミニカは世界で最も強いチームの一つ。本当に素晴らしい若者たちだ。このチームで監督ができたことを誇りに思う」

 1回戦での勝利は決してフロックではなかった。この日も驚異的な粘りは再現された。8回以外は毎回走者を背負いながら、5人の継投で無失点のまま延長戦へ。延長11回に右翼キングセルの失策で先制を許し万事休すかと思われたが、ここから信じられない底力を見せる。直後の攻撃で1死三塁とすると、そのキングセルが右前へ意地の同点打。最後は2死一、三塁から一ゴロ失策で決勝の走者がホームを駆け抜けた。

 全員メジャー経験者で総年俸約83億円のスター軍団を相手に、現役大リーガーが1人もいないオランダが連破。そんなチームだからこそ、フロリダで2週間の直前合宿を張ることができた。テネシー大を18年間率いた大学球界の名将・デルモニコ監督は毎日5時間の猛練習を課し、連係プレーなどを徹底。3戦計6失点、2失策の堅守は決して偶然ではない。指揮官は最後に「野球は米国のものではなく、世界のスポーツ」と胸を張った。

 <ドミニカ共和国 所属チームの“規制”に愚痴>戦前は優勝候補に挙げられながら、1次ラウンドで姿を消した。プホルス、Aロッドの辞退が大きく響き、アルー監督は「スター軍団といわれたが、ドミニカを代表する最高のチームになっていないと分かっていた。練習試合から5人が一塁を守った。三塁手がいないまま大会に臨んだ。本来のポジションでない選手がいて、負担が重かった」とチーム構成のバランスの悪さを嘆いた。同時に指揮官は所属チームが選手派遣にさまざまな条件を付けたことを明かし、野手の守備位置固定や投手の1イニング限定起用がチームとしての力を奪ったとも愚痴った。

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2009年3月12日のニュース