松坂 イチローからリーダーに指名!

[ 2009年2月6日 06:00 ]

イチロー(右)の打球を、間一髪よける松坂大輔

 WBC連覇は投打の柱に任せた!ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表候補のレッドソックス・松坂大輔投手(28)とマリナーズ・イチロー外野手(35)が5日、スカイマークスタジアムで1日限りの合同自主トレを行った。フリー打撃では43球のガチンコ勝負を繰り広げ、ともに順調な仕上がりを披露。イチローからリーダーに指名された松坂は最高の“予行演習”を終え、6日から南郷での古巣・西武のキャンプに参加する。

 1球ごとにお互いのテンションが上がっていく。14球目。イチローの放った強烈なライナーが松坂の頭上スレスレを襲う。21球目。今度は力のある直球で松坂がバットを根元からへし折った。前回06年大会の直前にもなかった初の合同自主トレが神戸で実現した。怪物と天才打者の2人の世界。スカイマークスタジアムはピンと張りつめた空気に包まれた。
 松坂「ああいう空気感、雰囲気…。誰が打席に立つのかも大事ですからね。緊張感を持って投げさせてもらいました。この空間が一番大事。最高の打者を相手に、最高の練習ができました。力加減?ほぼマックスで」
 イチロー「あんな折れ方しないですよ。グリップからバサッといきました。(打った感触は)気持ち良かった。僕は宮崎に行くまで実戦練習ができない。こういう形で生きた球を見られるっていうのはテンション、ガチ上がりしましたよね、やっぱ。ガチガチでした」
 そろってユニホームのズボンをはき、レ軍とマ軍の帽子をかぶっての練習。フリー打撃ではすべて直球の43球中、安打性の打球は10本だった。空振りが1度。ストライクを4球見逃したイチローは、そのたびに「ああ駄目だ」「ナイスボール!」「おお~」と声を上げた。あわや直撃のライナーには「ここでケガしたらシャレにならない。ちょっと焦った」と言うが、松坂は「試合なら捕ってますよ」と涼しい顔だ。
 イチローからの誘いで実現した競演。松坂はこの日朝、宿泊していた神戸市内のホテルのロビーにユニホーム姿で現れた。驚いたイチローは「まだ早いだろう」。待ちきれない、はやる気持ち。その先にはWBCがある。「チームメートとして全く同じ方向を向いてるのはいいですよね」。イチローも思いは同じだ。
 前夜、市内で食事をした際には松坂はイチローから「投手陣のリーダー」に指名された。「そろそろ大輔も、そういうことをしないといけない」――。「やっぱり僕も前回とは立場が違う。年上も(渡辺)俊介さんしかいないし。若い投手を、行動で引っ張っていけるようにしないと」。06年の第1回WBCではMVP。エースは新たな決意を胸に宮崎に乗り込む。

 松坂「一緒にやってもらって、これで気分よく南郷に向かえますよ」
 イチロー「まだ松坂選手のテンションに追いつけていない。僕もジャパンのユニホームを着て乗り込めるような状態に持っていきたい」
 お互いの思いを再確認した貴重な時間。侍ジャパンの投打の柱が、連覇への道を切り開いていく。

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2009年2月6日のニュース