ジャイアンツがFAの井口獲得に乗り出す

[ 2008年12月10日 06:00 ]

米国出発前の成田空港で記者に笑顔で話す井口

 ジャイアンツがフィリーズからFAとなった井口資仁内野手(34)の獲得に乗り出していることが9日、明らかになった。ジ軍は今オフ補強に積極的で、センターライン強化の一環として堅守と豊富な経験を持つ井口に目をつけた。井口は現在、日米の複数球団からオファーを受けているが、あくまでもメジャーが第1希望。ウインターミーティング終了後に代理人と話し合いを持ち、年内にも移籍先を決断する。

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 不本意なシーズンから復活を懸ける井口の新天地の候補に、西海岸の名門が急浮上した。大リーグ関係者の話として、ジャイアンツが来季の正二塁手候補として井口の獲得に乗り出していることが明らかになった。
 ジ軍は02年にリーグ優勝したものの、ここ4年は負け越し。名門再建のため今オフは積極的な補強を展開中で、早くも2投手を含む3人のFA選手を獲得。遊撃はオールスター出場5度を誇るレンテリアを補強した。その一方で二塁は近年レギュラーだったデュラムが今季途中に移籍し、現在はベレスら経験の浅い若手が数人いるのみで、センターラインのさらなる強化は急務。ジ軍は昨オフも井口獲得に動いたが、最終的には同地区のパドレスに奪われた。それだけに2年越しの“恋人”といえる。
 年末年始を米国で過ごすため、この日、成田空港から渡米した井口は「聞いていないです」と明言を避けた。それでもジ軍には「球場が広くて本塁打は出ないけど、投手力がいい」と好印象。本拠地サンフランシスコに関しても「日本人社会もある」と話すなど、家族のために重視する生活環境面も申し分ない。
 今季サイ・ヤング賞に輝いた右腕リンスカムら投手陣を中心としたジ軍の守り勝つ野球は、きめ細かな野球を希望する井口にも合う。またボウチー監督は、井口が全米選抜として出場した06年の日米野球で監督を務めており、プレースタイルを熟知しているのもプラス要素となる。ジ軍はウインターミーティング中に代理人のリック・サーマン氏と交渉の機会を持ち、具体的なオファーを出すとみられる。
 井口は複数の国内球団からもオファーを受けているが、依然メジャー志向は強い。渡米前にはサーマン氏と電話で打ち合わせ。「ウインターミーティングが終わってから」話し合いを持ち、米国で結論を出す考えだ。「年を越す可能性もあるけど、僕としては早く決めたい」。今季は6月に右肩を故障し、メジャー4年目で最低の成績に終わった井口。来季、新天地に懸ける思いは強い。

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2008年12月10日のニュース