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リオのゴルフコースは超ワイルド バンカーにフクロウの巣!怪鳥も?

[ 2016年8月2日 08:10 ]

18番のバンカーで巣を作り待ち構えるフクロウ

 ホーホーと鳴くコースのアイドル、ケロケーロと呼ばれる怪鳥、荒れた砂地にはアリの巣が広がっている。リオデジャネイロ大会で112年ぶりに五輪に復活するゴルフの会場、レセルバ・マラペンディGCには野性味あふれる18ホールが用意されていた。男子ではトップ選手の大量欠場が大いに話題を集めたが、開幕を目前に控えてコース側の準備は万端。スギちゃんもびっくりするほど?ワイルドなコースに迫った。

 フェアウエーを一歩外せばそこは荒れた砂地。背の高い自然のラフが不規則に生い茂り、行く手を阻む。マラペンディ潟に面し、その向こうの大西洋から海風が吹きつける。視界をさえぎる障害物はなく、全英オープンのようなリンクスコースだ。

 ブラジルゴルフ連盟のパウロ・パシェコ会長(79)は「数カ月前から100%完成している」と自信を見せる。確かにあとはスコアボードの整備などを残すばかりで、開幕を迎える準備は整っているように見えた。

 環境保護地区に隣接した用地に新設され、ジャングルさながらに野生動物も豊富。中でもコースのアイドルとも言える存在が、18番パー5のバンカーに棲むフクロウだ。3打目地点のバンカー内にぽっこり開いた穴をすみかとし、時折ひょっこりと顔を出す。「とても有名でみんなが知っている」(パシェコ会長)という人気者。猫ではないが、名前はまだない。巣にボールが入った場合のローカルルールは決まっておらず、来週中に話し合いが持たれるという。

 その鳴き声から地元の人に“ケロケーロ”と呼ばれる鳥もいる。ナンベイタゲリという種類で、警戒心が強く人間でも臆さず威嚇する。その迫力には青空球児・好児だって「ゲロゲーロ!」とたじろぐはず。選手にとっても近づきたくない相手である。

 コースにはあまり高低差はないが、グリーン周辺はかなりのうねりがある。芝の刈り込み具合によって難易度もかなり高まりそうで、グリーンの速さは13フィート以上の高速仕上げになる見込み。日本男子は片山と池田、女子は大山と野村が出場するが、最大の敵は外国選手ではなく、一筋縄ではいかないコースそのものかもしれない。

 ジカ熱や治安の問題を理由に欠場選手が相次ぎ、五輪でやる必要があるのかと“そもそも論”まで噴き出したゴルフ。それでも舞台は整った。パシェコ会長はこう言う。「出なかった選手はきっと後悔するでしょう。五輪という特別なイベントに参加するチャンスを逃したのだから」。五輪ゴルフの再出発はこのコースから始まる。

 ▽リオデジャネイロ五輪のゴルフ 男子は8月11~14日、女子は17~20日の各4日間、リオデジャネイロ近郊の新設コース、レセルバ・マラペンディGCで開催され、72ホールのストロークプレーによる個人戦で争われる。予選落ちはない。出場選手数は男女各60人で7月11日付の世界ランキングをもとに決まった。世界ランキング15位以内に4人以上入っていた男子の米国と女子の韓国は4人出場できるが、それ以外は各国2人以内。

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