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米満ら自衛隊メダリスト「特別昇任」検討へ

[ 2012年8月15日 06:00 ]

会見の席上であいさつを行うレスリング男子66キロ級金メダルの米満

ロンドン五輪日本選手団 解団式

 自衛隊に所属する五輪メダリストの階級が昇進する可能性が高いことが14日、分かった。レスリングの男子フリースタイル66キロ級・米満達弘(26)と女子48キロ級・小原日登美(31)が金メダルに輝き、男子フリースタイル55キロ級・湯元進一(27)とボクシング男子バンタム級の清水聡(26)が銅メダルを獲得。努力でメダルをつかんだ4人が、自らの出世もゲットすることになりそうだ。4人を含めた日本選手団は同日、都内のホテルで行われた解団式に出席した。

 日本に帰国したばかりの米満、小原、湯元、清水の自衛隊メダリスト組に朗報が届きそうだ。4人は22日に森本敏防衛相にロンドン五輪での成果を報告する予定だが、自衛隊関係者は「メダルを獲ってすぐに昇進という前例は聞いたことがないが、防衛大臣に五輪の報告をした際に、その(昇進についての)話が出る可能性はある」と“メダル出世”が検討されていることを示唆した。

 自衛隊法施行規則第3章第2節第30条では、職務遂行上功労があった者や防衛相が特に定めた場合に該当する者に対し「1階級又は2階級上位の階級に昇任させることができる」などと明記されており、メダリスト4人はこの「特別昇任」に該当するとみられる。

 現在の階級は米満が3等陸尉、小原が1等陸尉、湯元が2等陸尉、清水が3等陸尉。かつては、64年東京五輪重量挙げフェザー級で優勝した三宅義信は4年後のメキシコ五輪までの間に3等陸尉から1等陸尉まで昇進した例もある。メキシコ五輪で連覇を果たした三宅は最終的に自衛隊体育学校の校長にまで上り詰めただけに、関係者は「三宅先生という大きな前例もありますし、五輪メダルというものは十分評価に値するのではないでしょうか」と話した。

 この日夜、解団式に参加した米満は「レスリングは女子が人気なので、男子がちょっとでも人気になったらうれしい」と最高の笑顔を見せ、小原は「一人では獲れなかった金メダル」とあらためて感謝の言葉を述べた。周囲の思いを乗せてたどり着いた栄光。その努力の成果が自らに返ってくることになりそうだ。

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