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なでしこポーク 五輪が追い風注文殺到世界進出へ

[ 2012年8月15日 06:00 ]

 ロンドン五輪のサッカー女子で「なでしこジャパン」が銀メダルを獲得する中、“食肉界のなでしこ”にも注目が集まっている。栄進フーズ(千葉県)が販売する豚肉「なでしこポーク」だ。

 同社では10年以上前から、味と健康にこだわった豚肉の開発に着手。50種類を超える野菜や果物から作られた「大高酵素」、オリーブオイルなどを配合した飼料を与え、高品質の豚肉を作り上げた。肉に甘みがあり女性的なイメージがすることから「なでしこポーク」と名付けて06年6月に商標登録。同社の広報担当者は「人気に便乗というわけではないんです」と話す。

 サッカー日本女子代表が「なでしこジャパン」と名乗り始めたのは04年で、昨年7月のW杯優勝後からその愛称が一気に全国に浸透。なでしこポークは検査などを経て、偶然にも同8月から市場に流通することになった。日本中が「なでしこ」で大騒ぎだっただけに、社内では「名前を変えた方がいいのでは、など話し合った」という。最終的に「品質に自信を持って付けた名前だから」と、「なでしこポーク」で販売を開始。味が好評だったこともあるが、名称が注目を集めて、たちまち注文が殺到。ロンドン五輪が近づくにつれ、「生産可能量の3倍に達した」という。

 日本橋高島屋に出店している日本料理店「今半」では、五輪期間限定で「なでしこポークのしょうが焼き丼」(840円)を販売。数十個が昼すぎに売り切れる人気のため、大会終了後も販売を継続しているが「(肉が)なくなり次第終了になる」という。

 栄進フーズでは当初から海外での販売を意識。「なでしこジャパンの銀メダルには本当に力をいただいた。“なでしこポーク”も彼女たちのように世界で勝負できる商品に育てたい」と話している。

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2012年8月15日のニュース