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寺川にライバル 米17歳フランクリンが“世界最速”

[ 2012年6月29日 06:00 ]

女子100メートル背泳ぎで優勝し喜ぶフランクリン

競泳ロンドン五輪米国代表選考会第3日

(6月27日 米ネブラスカ州オマハ)
 女子100メートル背泳ぎで、17歳のメリッサ・フランクリンが10年の高速水着禁止後で世界最速となる58秒85で勝ち、五輪代表に決まった。金メダルを狙う寺川綾(27=ミズノ)が5月のジャパンオープンで出した日本記録59秒08を大きく上回った。3位のナタリー・コーグリンはこの種目の代表入りを逃し、五輪3連覇がなくなった。男子100メートル背泳ぎは北京五輪銀メダルのマシュー・グレイバーズ(27)が、世界歴代2位となる52秒08の好タイムで優勝した。

 女子100メートル背泳ぎで金メダルを狙う寺川に強力なライバルが現れた。17歳の新星、フランクリンが50メートルの通過は4番手ながら、後半の驚異的な追い上げで最後は体半分抜け出して圧勝した。タイムは10年アジア大会で趙菁(チョウセイ)(中国)が出した58秒94の高速水着禁止後の最速記録を更新する58秒85。「59秒を切れるなんて思っていなかった。とってもうれしい」と無邪気にはしゃいだ。

 昨年の世界選手権ではこの種目に出場していないが、金メダルを獲得した200メートル背泳ぎの金とリレーなどで5つのメダルを獲得した万能スイマー。この日は200メートル自由形準決勝をこなした約20分後にこの種目を泳いだ。「ミサイル・ミッシー」の異名を持つ1メートル87の大型スイマーは「これで五輪の400メートルメドレーリレーにも出られるからうれしいわ」と喜んだ。

 寺川にとっては今年4月に58秒97をマークしている昨年の世界選手権銀メダリストのズエワ(ロシア)とともに、最も警戒すべきライバルとなりそうだ。進境著しいフランクリンは今後1カ月でまだ伸びる可能性も十分ある。

 だが、現時点でその差は0秒23。十分に逆転できる差だ。寺川は今季絶好調で、27歳にして自己ベストを連発している。4月の代表選考会で59秒10、泳ぎ込みの時期である5月のジャパンオープンで59秒08と日本記録を更新。メダルの目安とする58秒台には届いていないが、五輪本番での58秒台での勝負を見据えて、現在フランスで高地合宿に励んでいる。新たなライバルの出現で、よりいっそう気持ちが引き締まったはずだ。

 ◆メリッサ・フランクリン 1995年5月10日、カリフォルニア州パサデナ生まれ。5歳で水泳を始める。10年パンパシフィック選手権で初めて代表に選ばれる。昨年の世界選手権では200メートル背泳ぎ、800メートルリレー、400メートルメドレーリレーで金、400メートルリレーで銀、50メートル背泳ぎで銅。1メートル87、75キロ。

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2012年6月29日のニュース