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室伏 別次元!貫禄14連覇で北京連覇だ

[ 2008年6月28日 06:00 ]

男子ハンマー投げ 5投目を終え、雄たけびを上げる室伏広治

 アテネ五輪金メダリストの室伏広治(33=ミズノ)はただ1人、別次元で戦っていた。6投目に今季世界ランク3位の80メートル98をマークした室伏は貫禄の14連覇。3月下旬に腰を痛めて今季初戦だったが、7・26キロの鉄球は重力の支配を拒否するようにグングン伸びた。

 「まだ初戦ということで動きが硬かったけど、最後の2投は柔らかい動きができた」
 昨年、中京大大学院の博士号を取得。自らの肉体を研究してきた結果、進化を示すデータも表れた。今年3月と5月の回転スピードを比べると、3月より5月の方が緩やかな曲線を描いていた。緩やかに加速しているにもかかわらず、投げる時のパワーは変わらなかった。23日の講演会には祖母・八四さん(88)を招待し、「おばあちゃん超えを目指す」と力を込めた。目標は祖母の年齢を上回る88メートル超え。86メートル74の世界記録を更新するビッグスローへ、無駄のないフォームを手に入れつつある。
 今後は移動の負担を考慮し、海外遠征をせずに国内でじっくり調整するプランも浮上。「北京では、スタジアムの外に投げるくらいの勢いで投げたい」。“鳥の巣”の愛称を持つ本番会場から鉄球が羽ばたけば、五輪連覇は間違いない。

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2008年6月28日のニュース