ボクシング辰吉寿以輝、計量一発パス 世界へ左を制する戦い 18日にタイの強打者と8回戦
日本スーパバンタム級12位の辰吉寿以輝(27、大阪帝拳)が世界への足掛かりとなる8回戦(18日、エディオンアリーナ大阪第2競技場)へ最高の準備を整えた。
17日、大阪市内での前日計量はアンダー300グラムの55・0キロで一発パス。55・1キロでパスした対戦相手のチャイワット・ブアトクラトック(タイ)と並んで「いい体してましたね」とひと言。「サウスポー相手にもいけるんやぞということを、しっかり見せたい」と力強く話した。もちろん「KOしかこだわっていない」という。
寿以輝はサウスポーとの対戦が少ない。唯一の対戦は2回負傷ドローに終わっている。バンタム級も見据える寿以輝だが、日本王者も東洋王者も左ばかりが君臨している。スーパーバンタム級は日本王者の下町俊貴(グリーンツダ)、OPBF東洋王者・中嶋一輝(大橋)もサウスポー。バンタム級も日本王者の富施郁哉(ワタナベ)が左。加えて世界ベルトを独占している中で、WBC王者の中谷潤人(M・T)、WBO王者の武居由樹(大橋)、IBF王者の西田凌佑(六島)もサウスポーだ。世界を見据えるにはサウスポーの強打者を倒しておかないと次のステップに進めないのだ。
チャイワットは中嶋と22年に対戦し、8回TKOで敗れたものの2度のダウンを奪っている強打者。寿以輝は「ぶんぶん振ってくると思うんで当たらないように」と冷静に対戦相手を分析。大阪と東京で合わせて約70ラウンド、フィリピン人のパートナーを招いてスパーリングしてきた自信を垣間見せた。
大阪帝拳の吉井寛会長は「左に対してどれだけ動けるかが一番見たいところ。倒すのは結果だから。何よりも試合運び。勝ち残っていかんと(世界へ)名乗りをあげられないからね」と試金石となる試合に大きな期待を寄せている。
15日は父・辰吉丈一郎の54回目の誕生日。減量期間中で食事はもちろん、試合の話もしていないという。電話で「おめでとう」「ありがとう」の短い会話で誕生日は祝った。あとはリングで結果を残して辰吉の名を再び世界に近づける。
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