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【浜田剛史の目】相手を見ての攻防 幅が広がった田中恒成

[ 2024年2月25日 05:35 ]

プロボクシング「Prime Video Presents Live Boxing7」   〇同級1位 田中恒成《判定》王者 クリスチャン・バカセグア● ( 2024年2月24日    東京・両国国技館 )

<トリプル世界戦>4回、バカセグア(右)に左ボディーを見舞う田中(撮影・島崎忠彦)
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 田中はボディー攻撃を効かせて、ダウンを奪って勝ったことは素晴らしい。井岡に負けた頃までは攻撃一辺倒の印象だったが、しっかり相手を見ての攻防ができ、ボクシングの幅が広がっていた。

 バカセグアは粘り強くタフな選手だった。採点基準の一つである「攻勢」の部分で、相手にポイントが流れる心配もあったが、田中の「クリーンヒット」がしっかり評価された。ジャッジがよく見てくれたことで、ポイントの差も開いた。

 もったいなかったのは8回にダウンを奪った後のラウンドだろう。相手に合わせて足を止めたが、中途半端な攻撃になり、相手に攻め込まれた。しっかり打ち合ってもよかったし、前後左右に動いてパンチを当てるのがうまい選手なので足を使ってヒット&アウェーで確実にポイントを取りに行く方法もあった。迷いがあったかと思う。ここでもう一度ダウンを奪うか、確実にポイントを取れていれば、より強さを印象づけられただろう。
 約3年ぶりの世界戦で成長している姿を見せてくれたと思う。再び世界の舞台で戦っていくのが楽しみだ。(帝拳ジム代表、元WBC世界スーパーライト級王者)

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