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尚弥の10代を知る五輪銅メダリストが祝福 3階級での4団体制覇に期待「想像しただけで鳥肌が立つ」

[ 2023年12月27日 04:41 ]

WBC&WBO&WBA&IBF世界スーパーバンタム級王座統一戦   井上尚弥―マーロン・タパレス ( 2023年12月26日    有明アリーナ )

11年ナショナルトレーニングセンターで行われた全日本合宿での清水(右端)と井上(中央)(本人提供)
Photo By 提供写真

 アマチュア時代から井上尚弥を知り、同じジムに所属する12年ロンドン五輪バンタム級銅メダリストの清水聡(37=大橋)が快挙を祝福した。同じボクサーとして肌で感じた井上の凄さを語るとともに、将来的な転級を視野に入れるフェザー級での4団体王座統一も実現可能だとした。

 素晴らしい試合だった。2階級での4団体統一、凄すぎる。まさかあんなに細かった少年が、ここまでごつくなって大物になるとは思っていなかった(笑い)。

 初めて会ったのは尚弥が18、19歳の時。12年ロンドン五輪前の選考会だったと思う。周りから「パンチ力はえげつない」という話は聞いていたけれど、体が細いというのが第一印象。

 当時、日本代表の強化合宿では重量級と軽量級の2組に分かれてマスボクシングを行っていた。僕のフェザー級は重量級に交ぜられることが多かったが、そうするとミドル級の村田諒太と当たらざるを得ない。それを避けるために軽量級のクラスに逃げたら尚弥がいて焦った。

 マスをやったのは、その時一度だけ。他のボクサーにはない距離を感じた。遠いところから一気に詰めてくる、あの独特の距離感は今でも鮮明に覚えている。フルトン戦でも見せた鋭い踏み込みは当時から健在だった。

 プロデビューしたライトフライ級(48・9キロ以下)から今は4階級目のスーパーバンタム級(55・3キロ以下)で体重が増えている。普通、階級が上がると、足を止めて打ち合うスタイルに変わるものだが尚弥は違う。今も足を使えている。しかも、スピードは上がっている。上の階級でも軽量級と変わらないスピードで来られたら相手が苦戦するのは当然のこと。相当な練習量の裏付けがあるからだと思う。

 次に主戦場とするフェザー級は、元世界3階級制覇王者で五輪2大会金メダリストのロマチェンコがかつていた階級ということから分かるように、海外勢の層が一気に厚くなるイメージだ。尚弥本人も分かっているだろうが、焦らずじっくり慣れていってほしい。

 そのフェザー級でも4団体王座統一をしたら史上初の3階級での4団体制覇…。想像しただけで鳥肌が立つ。もちろん簡単なことではないが尚弥ならやってくれる!という期待感がある。これからも僕らを驚かせてほしい。

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