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ロンドン五輪・銅メダリスト清水 37歳で世界初挑戦!プロ転向7年「コツコツたどり着けた」

[ 2023年4月28日 04:30 ]

WBO世界フェザー級タイトルマッチ   王者 ロベイシ・ラミレス《12回戦》同級12位 清水聡 ( 2023年7月25日    有明アリーナ )

世界戦が決まり大橋ジムで会見した清水(左)は練習に来た井上尚弥と笑顔(撮影・沢田明徳)
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 12年ロンドン五輪バンタム級銅メダリストで、前東洋太平洋フェザー級王者の清水聡(37=大橋)が27日、横浜市内の所属ジムで会見を開き、7月25日にWBOフェザー級タイトルマッチを行うことを発表した。37歳プロ13戦目での世界初挑戦で、勝てば長谷川穂積の35歳9カ月を上回り、世界王座奪取の日本人男子最年長記録を更新する。五輪連覇の強敵を倒し、井上尚弥とのダブル世界戦を勝利で飾る決意を示した。

 念願の世界戦がついに実現する。清水は引き締まった表情で「コツコツやりながら世界戦にたどり着けたことをうれしく思う。しっかり勝って恩返しをしたい」と決意を語った。

 苦節7年。16年9月に30歳でプロデビューし、4戦目で東洋太平洋フェザー級王座を獲得。防衛を重ねたが、9戦目の19年7月にプロ初黒星を喫した。両眼窩(がんか)底骨折なども経験。気づけばキャリア終盤を迎える年齢となり、同学年でアマ時代からの盟友、村田諒太氏も引退した。「同じ世代のボクサーが引退するのは寂しい」としんみりする気持ちはあるが、「世間的にはそういう(引退する)年かもしれないが、そうは思っていない」と闘志は衰えていない。

 相手は12年ロンドン五輪でフライ級、16年リオデジャネイロ五輪でバンタム級を制したロベイシ・ラミレス。「メダリスト対決」となる王者の実力を認めながら「勝機は十分にある。弱点は結構多いと思うのでそこを突ければ」と自信をのぞかせる。

 初の世界挑戦へ「チームロンドン」が全面的に後押しする。清水とともにロンドン五輪に出場した須佐勝明氏と鈴木康弘氏を特別コーチとして招へい。須佐氏は同五輪でラミレスとの対戦経験もあり「ヒントもいただいている」と強力な援軍を得て調整を続ける。

 勝てば日本人男子で最年長の世界王者となる。「プロでは金(メダル)の上にいけるように。勝ちます」と言い切った。ロンドン五輪で日本勢44年ぶりのメダルを獲得した男がプロの世界でも歴史に名を刻む。

 ▼国内の高齢世界初挑戦 04年に西沢ヨシノリが38歳でWBA世界スーパーミドル級王座に初挑戦。19年10月には34歳で久田哲也がWBA世界ライトフライ級1位の挑戦者として、同級スーパー王者の京口紘人と対戦した例がある。いずれも敗れ王座獲得に失敗した。

 ◇清水 聡(しみず・さとし)1986年(昭61)3月13日生まれ、岡山県総社市出身の37歳。08年北京五輪はフェザー級で2回戦敗退も12年ロンドン五輪バンタム級で銅メダル。16年はリオ五輪を目指すも代表選考会で敗退。自力での五輪出場がなくなったことで、プロ転向を決断。16年9月に大橋ジムからデビューした。プロ戦績は11勝10KO1敗。身長1メートル79の左ボクサーファイター。

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