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田中恒成“立体四目並べ”で4階級制覇へ 脳トレ&結束強化

[ 2022年9月28日 07:00 ]

「立体四目並べ」を手にした田中恒成

 【私の相棒!】今回は特別編。プロボクシング世界4階級制覇を目指し、今月初旬から米国で合宿中の田中恒成(27=畑中)が自らリポートを執筆した。“立体四目並べ”でチームの結束を高めながら充実の日々を過ごしている。

 戦場はリング内だけではない。敵は身内にあり。米国滞在中のコンドミニアムには、日本から一緒に来たトレーナー2人と通称「家政婦の啓太」という後輩がいる。この4人暮らしに欠かせない相棒は“立体四目並べ”だ。平面の五目並べを、四目で立体的にしたゲーム。勝ちたい気持ちが先行し過ぎていると、気付かぬところから王手をかけられるという点がボクシングと似ている。メンタルの持ち方が大きく勝敗を左右する“脳トレ”で、仲間とのコミュニケーションを図る上でも重要なアイテム。毎晩、このゲームで宿舎内のカーストを決めて過ごしている。

 米国合宿に限らず、練習ではうまくいかないことも恥ずかしい思いや悔しい思いをする時もある。毎日、頑張っていても弱くなっている感覚になる時もある。それでも淡々と続ける。良い時もあれば、悪い時もある。逆もしかりだ。

 私にはまだやりたいことが多く残っている。本場アメリカのリングに立ち、世界チャンピオンになる。これは今、一番の思いであり、田中恒成を応援する人たちの願いでもある。そして味わってみたい感情がある。それは「うれしくて涙が出るほどの喜び」だ。東京オリンピックで銅メダルを獲得した兄・亮明の戦いぶりには本当に感動した。オリンピックのリングで闘う兄の姿や表情を思い出すと今でも感動する。世界チャンピオンになるもならないも、自身の限界まで挑戦しないことには、本当の喜びはそこにはない。「環境、人、時間。足りないモノがあるのならば自分で創る。行動する。できない理由より、できる方法を考える。そしてとにかく練習する」。これが今、私にとっての“ボクシングと本気で向き合う”ということだ。

 誰かの期待に応えることと自分の欲求を満たすことが、本場アメリカのリングで世界チャンピオンになることで、かなうのならば、必ずそこまでたどり着いてみせる。今回の米国合宿はあと少し。頑張ります!!(元世界3階級制覇王者)

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2022年9月28日のニュース