×

武藤 蝶野にラブコール「俺の横に並ぶか。俺が9割は働くよ」来年2・21東京ドームで引退試合

[ 2022年9月8日 05:00 ]

フォトセッションでポーズを決める武藤敬司(左)と蝶野正洋(撮影・藤山 由理)
Photo By スポニチ

 プロレスリング・ノアは7日、東京都内で会見し、武藤敬司(59)が来年2月21日に東京ドームで引退試合を行うと発表した。ゆかりのある他団体のレスラーも集結しオールスター形式で開催。リングサイド最前列は破格の50万円に設定された。対戦相手は未定だが、同席した「闘魂三銃士」の盟友でデビュー戦の相手、蝶野正洋(58)に熱烈なラブコールを送った。

 38年間の現役生活の集大成には、これ以上ない舞台だ。95年10月9日、自身のベストバウトと言われる高田延彦戦の舞台となった東京ドームでの引退試合が決定。会見に臨んだ武藤は「レスラー冥利(みょうり)に尽きる、非常にうれしいことだと思っています」と心境を語った。さらに子供の頃に人気漫画「あしたのジョー」が大好きだったことを明かし「プロレスラー武藤敬司、ジョーのように全てを出し尽くして、最後は白く灰になりたいと思っております」と決意を述べた。

 対戦相手は決まっていない。しかし、武藤を語る上で欠かせない男がいる。会見には武藤と同じ日に新日本に入門し、デビュー戦の相手も務めた蝶野正洋が登場。試合当日はリングサイドのゲスト解説を務める予定だが「当日何してくれるの?」と武藤が切り出す。8年間試合から遠ざかり、昨年暮れに腰を手術した蝶野が「2月は俺は間に合わない」と“泣き”を入れても武藤は「じゃ、俺の横に並ぶか。俺が9割は働くよ」とタッグ戦でのコンビ結成も提案。「武藤さんと対等な動きは想像がつかない。いや~はめられましたね」と蝶野が苦笑しながら拒否し“商談成立”とはいかずとも「蝶野にハッパをかける試合をして、少しでもリングに近づけます」と諦めてはいない。

 武藤は今年6月に引退を発表。9月25日の愛知大会など数試合を消化して引退試合に臨む。「蝶野だって、橋本(真也)だって実は引退していない。ノアの三沢社長だって引退試合をしていない。その人たちの分も背負って戦えたらと思います」。プロレス黄金期を支えた盟友への思いを胸に最後のリングに立つ。

 ◇武藤 敬司(むとう・けいじ)1962年(昭37)12月23日生まれ、山梨県富士吉田市出身の59歳。1984年4月、新日本プロレスに入門。同期の蝶野正洋、橋本真也さんと「闘魂三銃士」と称され、同団体のエースに。その後全日本、WRESTLE―1、ノアで活躍、メジャー3団体のシングル、タッグは完全制覇。1メートル88、110キロ。得意技はシャイニング・ウィザード、足4の字固め。家族は久恵夫人と1男、1女(タレントの武藤愛莉)。

 ▽闘魂三銃士 新日本プロレスに同期入門した武藤、蝶野、故橋本真也さんによるユニット。長州ら主力選手の離脱した団体の危機を救うべく売り出され、1990年代のプロレス黄金期を支えた。同時期に全日本で活躍した故三沢光晴さん、川田利明、小橋健太(建太)、田上明の「四天王」とも比較された。91年の第1回G1クライマックスは3人による優勝争いとなり、準決勝で橋本さん、決勝で武藤を破った蝶野が初代王者に。橋本さんは05年7月に脳幹出血のため40歳で死去した。

続きを表示

2022年9月8日のニュース